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「じゃあ、俺ら付き合わない。
付き合ってんの？てメンバーに聞かれても
付き合ってないってAは言えばいいよ。
ほんとのことだから。」
そうユンギさんに言われたとき
すごく安心した。
もしメンバーに何か言われても
嘘をつかなくていいから本当によかったって
そう思ったのに。
今ホソクに付き合ってるのかって言われて
かつて友達以上の関係を望んだ彼に言われて
こんなにも胸が苦しい。
「なんか言えよ！それともユンギひょんに
何も言うなって口止めされてんの？」
何も言わない私にいらいらして
ホソクが声を荒げた。
「は？！何も知らないくせにっ
そういう言い方しないでよ！」
ホソクの声につられて私の声も大きくなる。
私たちの間に重い空気が漂っている。
それはあまりにも重くて
どれだけホソクの目を見ても
何を考えているのか全く分からない。
困ったような、
怒った顔で見つめてくるホソクが
さっと私から視線を外した。
「もういい、
イヤホン返しにきただけだし。もう帰る」
そう言って乱暴にポケットに手を突っ込んで
背を向けてずんずんと廊下を進んでいく。
私、どうしたらいい？？
このままホソクを帰して
このまま本当のこと話さないまま別れたら。
もう前みたいに話してくれない？
笑いかけてくれることもなくて
もう目も合わせられなくなる？
そんなのいやだ。
ホソクには話さなくちゃ。
「ホソク、待って！！！！」
全力でアパートの廊下を走った。
角を曲がって見えなくなったホソク。
必死に追いつこうと角を曲がったが
すでにホソクの姿はなかった。
そんな……
もう、走って帰っちゃった？
急いで階段を駆け下りようとしたその時
ぐっ と腕を引っ張られた。
……え？
振り向くと、そこには
私を見つめるホソクがいた。
目を真っ赤して、
私の手首から手を離さない。
痛いほどに強く握られている。
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作者名：櫻子 | 作成日時：2015年12月4日 1時
