儚いヒーロー (ページ40)

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ｼﾞｬﾏﾓﾉページ40

kyng「おいA…」

『…A邪魔なんだって。いらないって…』

kyng「んなわけねぇだろ、邪魔とか言うな」

『気にしなくていいのはわかってるもん……でも調べちゃう。スマホ開いたら気になっちゃって』

kyng「……」

『辞めたらAの居場所無くなっちゃう…ほんとにしんじゃうよ』

kyng「おまえが居なくなる時は俺も一緒だから」

『……(ﾁﾗｯ)心中でもしてくれんの？』

kyng『心中って……まぁそれでもいいかもな』

『ふーん』

(どーせ機嫌とるための適当でしょ。)

kyng「A、おいで？」

『なに？』

kyng「いいから、こっちこい」

『………ん』

kyng 「おまえのことをどっかの誰かが邪魔とか言っても俺らはそんなこと1ミリも思わねぇから。(ｷﾞｭ)」

『…ぎゅして。』

kyng「してるけど？」

『はなれちゃうよ』

kyng「はいはい」

(賭けに出てみようかな)

『こやは私が早く死にたくてヒーローしてるって言ったらどうする？』

kyng「は？」

『はやく、しにたい…(ｸﾞｽｯ)』

kyng「A……しにたいとか言わないで」

(返す言葉が見つからなくて、こやに抱きしめられたまま泣くことしか出来なかった)

kyng side

Aに早くしにたいって言われた時は言葉が出なかった

ただこいつがしぬのは絶対に嫌だ

それは俺だけじゃないはず。同期、先輩、リスナー、全員がそう思ってる

よく泣いて、よく笑って、ほんとに忙しいガキで、でもそれもこいつが愛される理由の一つで俺もそこを好いて、つい手を焼いてしまう

ただ、時々こいつの見せる表情がどこか儚く、割れ物のように優しく扱わないといけないのではないかと思うことがある

多分こいつはほっといたら勝手にいなくなるんだろうな

「寂しがりで泣き虫なくせに自分勝手なやつだな…」

泣き疲れて眠ってしまったこいつの涙を拭いながら呟いていた

おまえは本当に“しにたい”のか？それとも“生きたくない”のか？

俺はどうしたらおまえの事を生かせる？

どうしたらいつもみたいに甘いスイーツ作って、ヴィランを倒して人助けして、ゲームして、赤ちゃんみたいな顔で笑ってくれるんだよ……

おまえは何を抱えてるんだよ

「おまえは笑ってる方がよっぽどかわいいよ」