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今晩はよく冷える
私がボロボロの服の上に唯一着ている外套をギュッと握りしめ木に寄りかかる
本格的にまずいかなぁ…体がガタガタ震え出している
長年の野宿生活で体が震え出すのは危険サインと覚えている
ゆっくりと腰を下ろし足を抱えて縮こまる
今日はもう寝よう ゆっくりと瞼を閉じた
…はずだった
今私の首にはキラリと光る刃が押し付けられている
私は突然の事で何が起こったのか…
犯人「殺されたくなかったら、俺の言う通りにしろ」
嗚呼、私は狙われているのだ ならば“殺して“しまおう
胴を抑えられている腕に思いっきり噛みつきその反動で腕を離した瞬間を狙い相手を突き飛ばし、ナイフを奪う
これぞ形勢逆転。自分が相手に馬乗りになり、首に刃を押し付ける
相手の顔は青白く怯えている
『…殺 しますか？』
あれ、自分今何を言った？自分の言葉に違和感を覚える
これでは命令を欲しているただのただの犬ではないか
でも、その命令がくるまで私の腕は相手の首を切り裂けない
自分は相手を簡単に殺せる立場にあるのに、動くことすら許されない
？？「殺してはいけないよ」
緊張した空気を切り裂くような鋭い声が公園に響いた
私はゆっくりと声のした方を向く
そこには男の人が2人
1人は白の襟シャツに黒のネクタイ、肩から黒色の紐…？のようなものをかけている
特徴といえば、斜めに切られている前髪
もう1人は砂色のコートに腕や首に包帯を沢山巻いているひょろりと背の高い男の人
とても怪我の多い人なのだろうか
先程の鋭い声はどちらのものか、そんなことを考える前に自分はナイフを首から離し馬乗りを解放した
其の瞬間相手は涙と鼻水を貯め、逃げていった
？？「悪いが敦君、彼奴を捕まえてきてくれないか？
私はこの子と話がある」
？？「分かりました」
そういうと前髪が斜めの男の人否、敦クンは相手を捕まえに走っていった
？？「さて、私は君に用事があるのだよ」
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作者名：向葵 | 作成日時：2021年12月2日 22時
