予知夢を見る少女 {約束のネバーランド} THREE (ページ13)

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YOUside

あの日

そう、あれはたしかアジトで生活をはじめて少しした頃だった

その日は一人で実験農園の破壊に来ていた

その日も何の問題もなく実験農園の破壊、実験体の保護を行った

だが、その時の私はもっと強い力を欲していた

その時の私はクロユリ(大鎌)を振り回すことが難しく、大変だった

そもそも、クロユリ(大鎌)は普通の人では持ち上げることはできないだろう

その鎌を振り回すことができても、うまく動かせないことが多かった

そのために、誤って実験体に当たってしまうことがあった

だからこそ、この農園に来たのだ

この農園は肉体強化の実験を薬を使用しておこなっている

その薬を自分で研究して使えば、副作用無く使える肉体強化の薬を作れるかもしれない

そうすれば、犠牲を少なくできる

そう思った

実験体を一度安全な場所に移したあと、私は実験室へと向かった

そこには、100を軽くこえる薬がおかれていた

『どれが一番安全で、効果が大きいかな？』

ｸﾛﾕﾘ「えっと...右奥から二番目の棚の下から五段目の左から三番目、十二番目と、それから右奥から四番目の...」

『なんでそんなに詳しいの？』

ｸﾛﾕﾘ「さぁなぜだろうね？」

質問に対する答えにならないような答えに首を傾げながら薬を回収していく

『ところでさ、クロユリ』

ｸﾛﾕﾘ「何？」

『私が今していることの意味、わかってるんだよね』

ｸﾛﾕﾘ「わかってるに決まってるでしょ」

『だよね...私がしていることって合ってるのかな？この薬を使ってしまえば、少なくとも人間ではなくなってしまう気がするの。それは私として、人間としてではない道への一本道じゃないかな？』

ｸﾛﾕﾘ「あなたはそれが怖いの？違うでしょ。あなたは自分が自分でなくなってもし家族に会えたときに拒絶されるのが怖い。その一本道に足を踏み入れればもうあとには引けない。それが怖い。でもね、あなたの家族はあなたをあなた以上に大切にしてくれるはず。だから私は大丈夫だと思うな。」

『...そうだよね、大丈夫だよね。よかったよ。やっぱりクロユリにはお見通しだったんだね。』

クロユリに笑顔を向ければ笑顔はかえってくる

『ありがとう、クロユリ。背中をおしてくれて。私は一本道へと進んでいくよ』

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そこから先の記憶はあやふやだ

気付いたらアジトのベッドにいたのだから

起きた時、目の前には涙で顔をぬらしたライカとクロユリの顔があった