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今日はオフの日だ。


Aくんと順調にアフレコは進んでいる。彼から色々と学ぶことは多く、とにかく楽しいという気持ちでいっぱいになっている。

最近は彼と一緒にいることが多かったので、こうして家でゴロゴロするのも良いかも。


「……A?」


しかしそのとき、テーブルにある俺の携帯が鳴り出して画面を見てみると、有栖川Aという文字が。……前言撤回。


「も、もしもし!」

「どうしたの?」


何かと緊張して力が入っている声が聞こえる。


「今日何か予定入ってますか?」

「ううん」

「そうですか。あの、もしよかったら今日、僕とお出かけしませんか!?本当は事前に言わなきゃなと思っていたんですけどすみません……!」

「うん、いいよ」


特に断る理由はない。


「そうですよね……駄目で__って良いの!?」

「うん」

「えっえ、マジですか……」


自分で聞いておいてなんでびっくりしているんだ。


「そんなに嫌?」

「嬉しいです嬉しいです!最高!やったー!__いてっ!?」

「ははっ暴れすぎ」


遠くから何かガタッと音がして、もしかしてぶつかったな?と想像したら面白くてくすくすと笑ってしまう。


__そういえば、今日は有栖川Aの誕生日だ。







時間を決めてさっそく集合場所に向かうと、キャップを被っているプライベートの服装を着たAがそこにいた。

……学生と間違えられそう。


「淳弥くーん!じゅん…んぐっ」

「そんなに人の名前を大きな声で言わないの」

「ふぁい」


何度も俺の名前を呼ぶもんだから、両手でAの頬を引っ張る。


「今日も淳弥くんはかっこいいですね!」

「ありがとう」


周りに人がたくさんいるから声のボリュームは下げてほしい。


「で、どこ行くの?」

「映画館!見たい映画があるんです!良いですか?」

「いいよ」


定番だなと思いながら、他愛ない会話をして映画館へ向かう。


「……ってこれ、Aくんが出てる映画だね」

「1人で見る勇気なくて」

「なんか恥ずかしいよね」

「そ、そうなんです!」


見たい映画と言っていたのは、漫画が原作のアニメだった。
映画化するということで話題になっている。

しかも主人公の声をしているのはAだ。


「もしかしてこの映画、見ましたか……?」

「ううん、見てないよ。一緒に見ようよ」

「やったー!ありがとうございます!」


……実は公開日初日に行ったなんて本人には言えない。

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設定タグ:榎木淳弥 , 男性声優 , 声優   
作品ジャンル:ギャグ
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作者名:のん | 作成日時:2023年8月4日 20時

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