A.結婚しました。【榎/木/淳/弥】 (ページ48)

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48 思い出したことページ48

単刀直入に言うと、親は号泣していた。

「娘のウエディングドレス姿を見れる日が来るなんて…！」と。

私はくすりと笑い、淳弥くんも「相変わらずだなー」と結構笑っていた気がする。

この結婚式は、もちろん同業者を呼んで行った。

そして皆から多く言われたことは「まさか式をするなんてびっくり」だった。

彼が虚無と言われるのはわかるけれど(知佳ちゃん達から)私も「虚無なところあるよね」と言われて驚いた。

つまり、“そんな2人が…”ということである。

関係あるのだろうか。私にはわからなかった。

　
_______その後。私は彼といつものように他愛無い会話をしていた。

「結婚式と言ったら、実は思い出したことがあって。」

「？」

淳弥くんは口を開き、何か思い出したことを話す。

「実は小学生の時、Aに1回だけ告白みたいなことを言ったことがあるんだよね。」

「えぇ！？」

衝撃的。あの彼が告白を…？と私は大きく目を開いた。

「覚えていない？」

「覚えて…いないかな。」

小学生の頃の記憶はまだまだあるけれど、このことに関しては本当に覚えていない。

低学年…？それとも6年生くらい…？

「そっか。覚えていないよね。」

「なんて言ったの？」

「んー。“結婚してください”って。」

またもや衝撃的。小学生が言うのだろうか。そのようなことを。

また、小学生と言ったら淳弥くんは全然喋らなかった時期が多々。

「全然喋らなかった淳弥少年がそんなことを言ったの…？本当に？」

「ふはっ。淳弥少年頑張ってましたね〜。」

あはは、と隣で笑う彼。

「えっと…私の返事は？」

「教えなーい。」

「気になるよ！？」

「やーだ。絶対言わない。」

「えぇ…。」

気になる返事を教えてくれない。

答えたのだろうか。そこも覚えていない。

　

彼の記憶の中にいる私は一体なんと言ったのだろう。