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45 寝る ページ45

休日は俺がよく先に目が覚める。ぼーっとしながらも体を起こす。




「ふぁ…。」




と、何回目かわからないあくびをする。


…何しようかな。今日は俺もAも1日休みだ。






「おはようA。」

「んー…。」






料理をしていると、大きなあくびをしながら彼女は起きてきた。


俺のパーカーをなぜか着ているけれど。寝ぼけいるのだろう。

そして寝ぼけているせいで、ぎゅっと後ろから抱きついてきた。






「A、眠いでしょ。」

「うん。」

「もし2度寝したら次起きる時はお昼だよ。」

「んー…。」

「ほーら。もうすぐご飯出来るから。」






と、俺が動こうとするけれど、






「一旦離れよっか。」

「やだ。」






離れてくれない。動けない。






「淳弥くんはいつも自分からくっついてくるくせに。」






図星である。何も言えない。






「でもご飯は食べて。」

「はぁい。」






ぱく、とパンを一口食べる。

あ、美味しい…と思いながら、ちらりと彼女の方を見た。






「あ。待って落とす落とす。」

「…?」






まだ彼女はぼーっとしていてスプーンに乗っているミニトマトが落ちそうだ。

俺は食べるのをやめてAの隣に座り直し、






「はいあーん。」






と俺が彼女の口に運んだ。






「美味しい?」

「おいしい。」

「よかった。」






ぽんぽん、と少しぼさついた髪を撫でれば気持ち良さそうな顔になる。


可愛い。写真撮りたい。

…おっと。本音が。







その後、Aはソファに横になり、俺は食器の片付けを終わらせた。






「本当に眠いんだね。」

「そーだねぇ。あ。私のことは気にしないでゆっくりしてね。」






もう少しで目を閉じて夢の世界へいってしまいそうなA。

寝るならベッドに行ってほしい…と思いながらも、






「……俺も寝る。」

「え?」

「少し早いお昼寝。」

「やったぁ。」






俺も休憩をとることにした。


わーい、と喜んでいる彼女をお姫様抱っこで運ぶ。

こてん、と俺の方に体重を預けてくれている。
安心した表情だ。




襲われるなんて思ってもいないんだろうな。

我慢だ俺。頑張れ俺。






いつものように横なり、今日は内側を向いて目を合わせる。






「私寝るね。」

「おやすみ〜。」

「おやすみぃ。」






俺もちょっと寝ようかな。


_____目を覚ましたのがお昼だったということは、言うまでもないだろう。

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設定タグ:男性声優 , 声優 , 榎木淳弥   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:のん | 作成日時:2021年8月15日 19時

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