家 庭 科 室 の 、 - 2 - 【地縛少年花子くん】

夢夢夢夢 ページ8

「あ、良いこと思いついた。」


「？」









　
すると、ゆっくりとAの体ごと横にし、つかさはその場に立つ。そして俺の方へ近づく。

つかさはこう言った。









　
「Aの、今の夢見てみる？」









　
と。









　
「…え？」









　
Aの夢をみる？人の夢を見るなんて、そんなこと…。









　
「んー。なんかね？Aの夢って見やすいんだよねー。俺もちょっと見たことあるから！」


「ちょ、ちょっと待って。人の夢を第三者から見れる、の？」


「うん！そうだよー。理屈はわからないけどさー。」


「…。」









　
どういうことだ。そんなこと、出来るのか？謎が深まるばかりだ。


“Aには何も力はないのに”。もしかしてこれが力なのか？わからない。









　
「見る？見たい！？」


「…何も支障は出ない？」


「もっちろん！」









　
支障は出なければ良い、みたいな考えが生まれた。駄目だ、こんな考えじゃ。


それでも、過去を知りたい自分がいた。なぜあんな風になったのか。なぜ友達ばかり考えているのか。









　
「…見る。」









　
だから俺は見るという選択肢をした。









　
「ふーん。やっぱり見るんだ！“助けなかったくせに”。今更見ても遅いのに。」


「…！？」









　
“助けなかった”。それは当時の俺を示していた。確かに、“気付いていた”のに。









　
「俺はねー。ちゃんと“Aのそばにいた”んだー！あまねの知らないところで。」


「え…？」









　
俺がいないところで、2人は会っていたのか。確かに、今の関係性に疑問はあった。


なぜ、つかさはAを知っていて執着があるのか。









　
「ま。この話は今から見る夢で知れるからここまでにして。いってらっしゃい、あまね。」


「！」









　
俺はおでこを指でぽんと触られ、ゆっくりと目を閉じて意識は途切れていった。

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