家 庭 科 室 の 、 - 2 - 【地縛少年花子くん】

流流流流 ページ13

翌日。1人で登校していると、









　
「っ！」









　
ドン、と誰かから押されて膝をついてしまった。









　

「い、てて…。」









　
膝を見ると少し皮が剥けていた。しかし血が出ていないだけでもホッとした。









　









　

教室へ入ると、私の机にはゴミがたくさん乗せられていた。主に消しゴムのゴミだった。私は一瞬動揺したが、丁寧にゴミ箱の中へと入れた。









　
「！」


「…。」









　
少しだけ、柚木あまねくんと目が合ったような気がした。









　









　

廊下を歩いていると、たくさんの生徒からの視線があった。くすくすと笑っているような気がして。









　
「あの子の親、伊月ちゃんのお父さんを倒れさせたんだって。」


「うわぁ最低じゃん。」


「性格悪すぎだろ。」









　
視線の正体はこれだった。私の父のことを悪く言う人がたくさんいた。


父はすごく反省していた。だから、だからそんな風に言わないでほしい。だけど私が言ったところで悪化するだけなのだろう。









　









　

数日したある日。少し異変が起きた。







父の悪口は一切なくなって、今度は私だった。私のことをくすくすと笑いながら悪口を言っていた。

私にちゃんと聞こえるように。





私は普通に過ごしていた。伊月には一切近づいていない。なのにどうして。









　
「A？だっけ。あいつ、伊月を怪我させたらしいよ。」


「それ本当？」


「おう。実際怪我してるの見たぜ。」









　
何それ。私はそんなことしていない。それに伊月には全然近寄っていない。









なのにどうしてそのような噂が流れているんだろう。



…そうか。“本人が流しているんだ”。

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