家 庭 科 室 の 、 - 2 - 【地縛少年花子くん】

誰誰誰誰 ページ11

次の日。次の日も。









　
「ごめん、今日用事があって一緒に帰れない！」






　
「朝から用事があって一緒に行けない！」









　
と、何かと用事があって一緒にいることが少なくなった。




もちろん、クラスは違うので仲の良い友達が出来たかもしれないと。


_______そう思っていたが、これは本当だった。









　
しかし、違和感は消えない。


休み時間にはたまに伊月とすれ違う。いつもちょっと話したりするけど、









　
「！」


「あ、」









　
一瞬だけ目が合って、“それだけ”。


その時、隣には伊月と同じクラスだろうという女子もいた。









　
＊









　
ある日の放課後。









　
「！い、伊月。」









　
気付けば1週間も話していなかった。原因はわからない。だから私は靴箱で待っていた。


まだ伊月の靴があったからちょうどいいなと思って。









　
「…。」









　
名前を呼び、視線は一瞬だけ向けられる。そしてすぐ目を逸らす。伊月の隣にはこの前見た女子もいた。









　
「誰？この子。」









　
と、隣の女子は言ってきた。悪気はないだろうけれど、ジロジロと見てくる。









　
「お人形さんみたいで綺麗だね、あなた！」


「っ！」









　
ドキッと心臓がうるさくなる。バクバクと。









　
しかし、次の言葉でもっと心臓がうるさくなったのだ。伊月はこう言った。









　









　
「________誰だろうね、この子。」






　
と。

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