無無無無 ページ2
ある日のこと。
私の心は自分が生きている時と同じくらいテンションが上がっていた。
_____当時、親友になる前の女子と仲良くなった時みたいに。
自分から進んで行くことは1度もなかったが、今日はネネちゃんのクラスを見に行こうと廊下を歩いていた。
突然来るのは彼女に迷惑がかかってしまうので、廊下でこそりと見る…はずだった。
そう。廊下を歩くこと。それはすなわち“誰かとすれ違う可能性があるということ”。
「…あ。A、ちゃん…だったかな。」
「!ミナモト、さん?」
「あぁ、覚えててくれてたんだ。嬉しい。」
また、このパターンだ。
ついこの前会った、私のことを見ることが出来る、彼。
彼はタイミングを見計らったかのように、私とばったりと会う。
にこっと彼は愛想良く笑うが、それは仮面だということがわかる。目が冷たい。彼は私を嫌っている。それは絶対だ。
「ねぇ1つ聞いていいかな。」
「は、はい。」
その圧からか、足が震えて逃げようにも逃げれない。
「未練は、まだあるの?」
「…。ない、です。」
ミナモトさんは、私が“都市伝説ではない”ということはもう把握済みだろう。
私が、ただの“馬鹿”だということに気付いている。
「…そう。十分に楽しんだんだね。」
「…はい。」
「じゃあ、ここで祓ってもいいってわけだね。」
「!」
祓う?ここで私は消えてしまうのだろうか。死んでいるのにも関わらず、消えることが怖い。
私はなんて弱くて、“馬鹿”なんだろう。
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黒灰白有無%(プロフ) - 完結おめでとう御座います!!一気読みさせて頂きました、過去を知ったことで主人公の性格(狂い具合)がさらに好きになりました。途中でも面白いのですが最後まで見ると皆の想いとかがわかってさらに深み、面白みを感じました!とても楽しかったですコメント失礼しました (5月18日 2時) (レス) @page33 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ミキプルーン - めちゃくちゃ面白くて、最後泣きました😭司君、めちゃくちゃいい子だった… (2023年3月4日 19時) (レス) @page33 id: 374f2a1f15 (このIDを非表示/違反報告)
真冬 - つかさくんもしかしていい人?女の子が天国に行けるように殺してあげたのかも!やさしいのか狂ってるのかが分からない感じがつかさくんぽくていいと思います!!←上から目線みたいですいません。深くてちょっとだけ難しく感じたけど、凄く素敵なお話でした。 (2022年3月9日 1時) (レス) @page32 id: 587626ec74 (このIDを非表示/違反報告)
ルコふぃまてりぃ - え?最後、女の子は生まれ変わって幸せになったんですか?(°д°⊂) (2021年4月18日 8時) (レス) id: 15224720b1 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル - とても面白かったです!これからも頑張ってください。 (2020年6月5日 18時) (レス) id: a86e035e62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノン | 作成日時:2020年3月21日 22時