ミえるヒト。【地縛少年花子くん】 (ページ33)

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三十三ページ33

弟が事故に遭って1週間が経ったらしい。

今日も今日とて放課後は屋上に。

　
「弟はどんな感じ？」

「目、覚めたよ。親は嬉しそうだった。」

　
少し複雑だ。

親のことをAから聞いているので更にだ。

　
「……会ったの？」

「うん。私のこと睨んでたけどね。」

　
なんで睨むのだろう。

Aから聞いたが自分が歩きスマホをして、自業自得のはずなのに。

　
「…むかつく。」

「ふふっ。まぁ、イライラするよね。」

「…。」

　
笑えてない。なんか、腕とか足が細くなっている気がする。

　
顔色は、良い方だけど元気がない。

　
…俺から聞いてもいいのだろうか。

　
_______願い事、決まった？

　
と。

　
「願い事ね、決まった。」

「！」

　
Aの方から話題を振ってきた。

　
「そっか！じゃあ俺に言ってみて！」

　
と、雰囲気を変えるためにテンションを上げた。

しかし、それは一瞬で消えてしまう。

　
「……私を、殺してほしいの。」

「……え？」

　
その後、俺には焦りが出た。

　
「じ、冗談だよね…？」

「ううん。本気。」

「な、なんでだよ…！も、もっと…他に何かあっただろ！？」

　
次から次へと言葉が出てくる。

　
「……ないよ。」

　
彼女は笑顔でそう言った。なんで。なんでだよ。教えてよ。