ミえるヒト。【地縛少年花子くん】 (ページ18)

今日:16 hit、昨日:53 hit、合計:541,379 hit

十八ページ18

親には、友達の家に泊まる、とメールをした。

すると、すぐに電話がかかってきたが、完全無視。

　
「A、校内探検しよ！」

「え。それだと花子さん、つまらないんじゃ…。」

「いいの！俺がそうしたい。」

　
ほら、いくよ。と、私の右手を掴み、手を繋ぐ。

冷たいな。花子さんの手。

　
＊

　
探検、という言葉は似合わない気がする。

私は、花子さんのノリの流された。そしてもっけ達が驚かせにきた。

　
お化け屋敷のようだった。

　
最終的には、屋上で一息つく。

　
「はぁ…。」

　
走り回ったりもしたので、少し疲労が。

　
「楽しかった？」

「う、うん。楽しかった、よ。」

「Aってば、体力ないよねー。」

　
グサッ。刃に刺された様な感覚。

1番今聞きたくない言葉。

　
仕方ないじゃないか、保健体育だけ成績が悪いのだから。

　
「ふふっ。でも楽しんでくれたのなら良かった！」

　
ぎゅっと私の両手を握り締める。

そして、互いに下に座って空を見上げた。

　
「星がいっぱいだね。」

「…やっぱり星は綺麗。」

　
花子さんの様子がおかしかった。

　
「花子さんって星、好きなの？」

「えっ、いや！？その…。」

　
「好きなんだ。」

「う、うん…。」

　
好きなものを隠したら、つまらない。

　

　
少し恥ずかしそうに肯定する彼は、どこか幼いような。“生きた人”のよう。