十四 ページ14
家に帰れば、地獄となった。
「姉ちゃんおかえり！遅かったね。」
「ただいま。」
家族の中で唯一話せるとしたら弟くらいだ。
ただいまもおかえりも言ってくれる。
そんな弟でも、大嫌いだ。
「姉ちゃんって、ちゃんと勉強してるの？」
「…。」
そう。弟は私を見下してくる。
実際、向こうの方が頭が良いのは事実。それが現実。
そのおかげか、父と母も弟のことを“上げている”。
「アンタには関係ないでしょ。」
と、短く返事をして2階へ。しかし、弟は後ろをついてくる。
「えぇ？でも、そんな感じだし…。あ、友達出来たの？僕はもうたくさん友達出来たよー。」
何もかも自慢してくる。
「あっそ。」
無関心な私を見て、こいつはイライラをする。
「…っ。く、悔しくないわけ！？」
「…全然。むしろ、そうやって自慢するアンタが見苦しいよ。」
そう言って、弟を睨みつけて自分の部屋へ入った。
「…くそむかつく…！」
と、呟いたことは私の耳には入ってこなかった。
＊
部屋に入り、ベッドに横になる。
さて。明日は何をしようか。
明日も、花子さんは遊びに来てくれるのだろうか。
でも一応、仕事みたいなのがあると言っていた。
「あれ…？私って花子さんのこと嫌ってたんじゃ…。」
今では随分と親しくなり、花子さんと話すことが苦ではなかった。
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作者名：ノン
| 作成日時：2020年1月26日 18時
