十二 ページ12
次の日。
「おはよう!Aちゃん!」
「!お、おはよう…。」
教室に入ると、八尋さんが挨拶をしてくれた。
当たり前なのだろうが、これがとても新鮮でテンションが少し上がる。
「おっはよーA!」
「!?」
聞きたくない声、とは嘘になるけど、上から私の目の前に現れた花子さん。
八尋さんも一瞬ビクッと驚いていた。
「え?なんでここにいるかって?そりゃあAの様子を見に来たに決まってるじゃん!」
なんか1人で喋っている。
「…暇、なんだ。」
周りからは、1人で喋っているように見えるので少し小声で花子さんに喋りかける。
「ひ、暇……じゃないけどね!?」
「…。」
ちょっとツンデレなのか。
*
その後のことを一言で言えば、集中出来なかった。
先生の声をわざと遮ったり、
ねぇねぇこの問題難しい?と聞いて来たり、
更に酷かったのが体育の時間であった。
今日の体育は持久走がメインで、皆は嫌そうな雰囲気を出していた。
もちろん私もその中の1人。
私が走っていると、花子さんは空中でふよふよと、
「Aの体じゃ走ってるの、疲れない?」
と聞いて来たのだ。
そのニヤニヤした表情で言われ、色々察しがついた。
あの昨日の、喋っていたことを気にしていた。
ムカッと一瞬頭に来た。
そして口にしたかったが、私の体力の無さだ。声を出せない。
ただ、彼を睨むだけだった。
829人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ノン | 作成日時:2020年1月26日 18時