ミえるヒト。【地縛少年花子くん】 (ページ8)

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八ページ8

「で、でもAちゃんはどうして…。」

「私、物心ついた時から見えるの。そして触れることが出来る。」

　
あ。言っちゃった。でも大丈夫か。少し、安心出来るから。

　
「そ、そうなんだ…。」

　
私の話を花子さんは黙って聞いていた。そして、少し目を光らせていた。

　
＊

　
その後。休み時間の終わりのチャイムが鳴り午後の授業へ。

　
その前に皆から謝罪を受けた。ごめんなさい、と。

　
別に気にしてもいなかったので、許した。

　
初日でクラスメイトと喋れるとは思ってもいなかったので、今日は驚くばかりだ。

　
しかし、トイレの花子さんか…。

なぜ男子なのか。それに謎が多すぎる。

　
でもこの学校でも、“ああいうもの”がいることには変わりはない。

　
…警戒、しないと。

　
たとえ、花子さんがああいう様子だとしても、良い奴だとしても。

　
＊

　
「A、」

「花子さん？」

放課後。ちょっとばかりの探検で、屋上に来ていた。

すると後ろから、花子さんの姿があった。さっきとは大違いの、真剣な顔。しかし、

　
「Aってさー。」

「…。」

ゴクリと喉を鳴らす。警戒、しないと。何をしてくるのかわからない。

　
「…胸、大き_______ヘブッ！？」

　
最初の言葉から、もう右手を用意して頬を叩いた。

　
「変態。」

「叩くなんて酷いよ！？」

　
と、転んで花子さんは言ってるけど、

　
「花子さんって変態なんだね。」

「そ、そんな冷たい目で見ないで！」

　
…花子さんってなんだっけ。