二十四 ページ24
その後。お風呂に入った。
このお風呂の入っている時が、家の中で1番の幸せな時間である。
「…はぁ。」
こんなに休日が嫌になるなんて初めてだ。
いつもは、学校では絡んでくる霊達でいて早く家に帰りたいと思っていたのに。
今は逆だ。休日が1番嫌な時間。
*
お風呂から上がれば、リビングから両親が言い合いをしている。喧嘩だ。
廊下からでも叫び声が聞こえる。
「どうやったらあんな子供になるんだ!」
「うるさいわね!私だって忙しいのよ!?アンタも家のことしなさいよ。」
「はぁ?俺は仕事仕事。毎日頑張ってるんだぞ!」
初めてである。喧嘩が。
ちょっとした小さなことは昔あったが、今回のは異例。
「はぁ…。なんでAが…。」
「お前の育て方が悪いんだろ。」
「はぁ!?」
と、まだまだ続く愚痴喧嘩。なるほど。私のせいか。
私は2人の邪魔になっているのだろう。
将来は大学に行きたい。だけどそれを言うのはまだまだ先なのだろう。
いや、言える機会はないのかもしれない。
*
「暇だー…。」
一方その頃。学校では、花子さんは溜め息をついて女子トイレにいる。
「早く月曜になってよー…。」
そう。1人ぼっちで。いや、勿怪がちらほらといるが。
「アメやる。」
「いらないー。」
勿怪達は励ましているのだろうか。
次々と飴が増えていく。
「てか、ここを飴だらけにしないで!?」
「ダメ?」
「ダメなのか。」
「いや駄目だから!?」
学校中に花子さんの声が響いた。
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作者名:ノン | 作成日時:2020年1月26日 18時