三 ページ3
車の中。
「何かあったら、先生に聞いたりするのよ?」
「うん。」
そして今。私は高校1年生となった。
父の仕事の都合で、生まれ育った場所を離れた。
変な時期に転校だなんて、噂が出るのだろうが。
母と他愛ない会話を車の中でする。
数分したら、学校の姿が車のガラスに反射した。
「よし。じゃあ、いってらっしゃい!」
「…いってきます。」
明るくで元気な母。運転席から顔を乗り出す。
「友達、100人作りなさい!」
「それはちょっと…。」
「ふふっ。」
このような冗談を言う、まだ若くて家族の中でも1番笑顔が絶えない。
そんな親でも、子供の秘密には気付かない。
*
私が入るクラスは1年A組。
緊張はする。だって、転校生のベタなもので皆の前で自己紹介をする、というものがあるからだ。
1年A組の教室の廊下で深呼吸。
友達?作る気はない。
今まで生きてきた中での、経験をしたからこそ言えること。そう。
_________“クラスメイトの中に、幽霊なのに生徒としていた女子がいたのだ”。
それはもう普通に。でも、卒業式の時は私以外の皆はその子に関する記憶はなかった。
霊とはそういうもの。
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作者名:ノン | 作成日時:2020年1月26日 18時