アンタの作戦には乗らないから。【音駒】

３９の作戦 ページ39

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入学式後。









　
「何か買おうぜ。」


「え？」









　
桜の花びらが踊っている春。入学式が終わった後、鉄朗は“何か買おう”と言ってきた。









　
「ほら。入学祝いの俺のおごりで。」


「いいの？」


「おう。」









　

お腹が空いたので食べ物を買おうかと思っていたが、









　
「私、お揃いのキーホルダーが欲しい。」


「え？」









　
“もの”としてずっと残るキーホルダーが欲しいと言った。もちろん、その言葉にびっくりする鉄朗だが、すごく納得していたようで。









　
「じゃあ、お揃いの買うかー！」


「うん！」


「Aがそんなこと言うなんて意外だったなぁ。」


「意外って言わないで。」









　
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「はぁ…。」









　
あ。そういえば、朝食作らないといけないんだった。まだ着替えてもないし、これから戻るのはちょっと行きづらい。


そして録音を止める。









　
「ああああああ！！」









　
廊下で叫ぶ私。迷惑なのはわかっている。だけど、声に出さずにどうやってストレスを発散すればいいのか。









　
「…謝ろう。」









　
私は、何かをして謝らないのは心にざわつきがあってもやっとする。だからまずは謝罪をしよう。









　
「というか、向こうも謝ってよ…。」









　
粉々にしたキーホルダー。あと今までのこととか。







　
___________謝っても許さないけど。

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