26滴：影山 ページ27
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影山の真剣な表情に俺は驚いた。
「人間誰しも裏と表の顔はあるんだから、ね」
とヘラっとした感じで言った。
「そう…かもしれないですけど、なんか、菅原さんの場合は……“毎日、無理してる感じ”がして…」
「…」
別に無理などはしていないのだ。ただ、“その状態に慣れてしまっただけ”。だから、無理というのも関係ない。
「もー、影山は考えすぎだって。まぁ受験勉強できっついなぁーっては思ってるけど」
「？」
「大丈夫、大丈夫。影山はいつも通りでいてな？」
「？はい…っス」
俺は影山の頭をポンポンと撫でた。影山にもこういう一面があるんだと実感した時だった。
____________________
Aちゃん達の母親は広樹君の横にある椅子に座り、彼女のように安心した表情をしている。
「じゃあ、俺帰るね。あとは頑張って」
「！はい」
俺は小声でAちゃんの耳元で言う。この様子を広樹君は察した模様。
「また遊びに来てください」
「うん！また来るよ。ばいばい、広樹君」
「はい。さようなら」
“失礼します”とそそくさと病室を出て行った。
＊
菅原先輩は病室を出て行った。広樹は服の袖をぎゅっと握りしめている。そして下唇を噛んでいた。
「どうしたの、広樹」
お母さんは広樹の様子を伺う。
「ね、ねぇ…今習い事どうなってるの？」
「ちゃんと事情を説明して休みにしてるけど」
口の震えがよくわかる。もしかすると、いやお母さんは絶対気づいている。
____________言って。頑張って言うんだよ。
本当は私が言いたい。弟の気持ちをやっとわかった。しかし、
____________私は弟の気持ちに気付くことが出来なかった。
____________広樹は私の様子を見て心配して声をかけてくれたというのに。
姉、失格だ。
「あのね、お母さん」
「うん」
「僕、習い事やめたいの！」
「！」
その時。広樹の声が病室中をいっぱいにした。
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ノン(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます。私もスガさん大好きですね(笑) (2019年9月16日 15時) (
レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
ノン(プロフ) - 渚＠俺ﾅｰさんさん» コメントありがとうございます。更新がんばります！ (2019年9月16日 15時) (レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
みな - スガさん大好きです！！ (2019年9月16日 11時) (レス) id: c7efde0d03 (このIDを非表示/違反報告)
渚＠俺ﾅｰさん(プロフ) - 好きです…。こういうお話好きです。更新頑張ってくださいね！ (2019年9月16日 2時) (レス) id: fb112923a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノン
| 作成日時：2019年9月15日 19時
