声が出ないマネージャーは今日も頑張るはずだった。【菅原孝支】 (ページ34)

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霜「あ、でも1人じゃ間に合いませんよね。怒られちゃいますね」

「...！」

何…するつもりなんだろう。

一応、ジャージのポケットに入ってる携帯は録音状態にしてるけど...

霜「もしかして、“霜月さんも怒られちゃうよー”みたいなこと思ってます？」

「！」

霜「まっさか～...“怒られるのは先輩だけですよ”」

そう言って、霜月さんは中身が入っているスポドリの容器を取った。

「！」

霜「あ～駄目ですよ～」

私は霜月さんから取ろうとするが、避けられた。

霜「もうすぐ、休憩時間になると思うので」

黒『よーし、休憩だぞー』

中から黒尾さんの声が聞こえた。

聞こえたのと同時に、霜月さんは____________スポドリの水を自分の頭の上からかけた。

__________え？

そして、その容器は私の“右側に置くように転がった”。

また_____________“右側”。

いつも気付かないのかな。

私が左利きってことに。

仁花ちゃんはすぐ気付いてくれたのに。

“A先輩って左利きなんですね！”って。

なのに、気付かない霜月さんは____________全然周りを見ていないのかな。

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霜「きゃああああああ！！」

と霜月さんは悲鳴を上げた。

黒「おい！どうし.....た...は？」

夜「なんだ！？」

研「…」

悲鳴が上がり、駆けつける皆。

驚く人もいたし、あまり動じない人もいた。

皆は試合で頑張っていたのだろう。
汗ダラダラだ。

及「ねぇ....何があったの」

霜「私っ...！スポドリを作ってて...それで...A先輩からっ...“邪魔”って言われて....！スポドリの水をかけられましたっ...！」

と、顔を皆に見せないように俯いて言った。

反論したいけど、声が出ないので仕方がない。

烏野と梟谷は別の体育館を使っているので、この場にはいない。

黒「おい、それって...！」

研「クロ。待って、」

黒「...っ」

孤爪君は何かに気付いたのだろう。

彼はよく周りを見ているなぁ...って思う。