声が出ないマネージャーは今日も頑張るはずだった。【菅原孝支】 (ページ15)

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【罠ってそれ...】

菅「俺が大地と一緒にいた時、そんなこと言ってなかった。はぁ...良かった。Aが俺にこのことを言ってくれて...」

【...うん】

菅「A...行くの？」

【もし行かなかったら、何されるかわからない。私をなんで睨んでくるのか、本当のこと知りたい】

菅「...そっか。“何かが起こる”前提でさ、制服のポケットに携帯、入れといて」

【...録音するため？】

菅「うん。それで証拠を持っておく」

【わかった】

菅「じゃあ..また学校で」

【うん】

孝支君と家の前で別れた。

＊

部屋。

大丈夫かな。
何かがあるのは絶対だ。

罠、か...
私って騙されやすいのかな。

相談して良かった、とホッとする。が、安心したら駄目。

(...今日は早く寝よう...)

体を横にし、不安はあるけどそのまま目を閉じた。

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菅原side

菅「くそっ！」

俺は自分の部屋に行き、カバンを勢いよく投げた。

菅「...俺は、どうすればいいんだ...」

何が“Aを一生守る”だ。

現在進行形でAは傷ついている。

全然守れてないじゃないか。

菅「はぁ...」

ボフっとベッドの上で体を横にする。
あぁ...こんな感じだと昔のことを思い出す。

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菅『ごめんねAちゃん...』

『ううん。大丈夫だよ孝支君』

菅『お、俺！絶対に直すから！』

＊

菅『出来た！_______________Aちゃん！窓開けて！』

『！』

＊

菅『なんとかして“くっつけたんだ”。Aちゃんの“大事なもの”を壊して本当にごめん...』

(フルフル)

Aちゃんは頭を横に振った。

そして、“口を”

*ありがとう*

と動かした。

菅「....え？」

「！？」

本人も驚いていた。

だって数十分前、Aちゃんは普通に喋れていたのに“今、声が出ていなかったから”。

菅「嘘だ、ろ...俺のせいで.....俺のせいで...！！」

＊

菅「__________は...っ..！」

いつの間にか眠っていたようだ。

菅「夢にまで出てくるとか...はぁ....」

溜め息つくしかなかった。

菅「早く風呂入って寝よ」

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