story30 ページ31
.
「京介！」
ゲームセンターから出てきた京介を私は呼び止めた。
「A？…誰だお前？」
振り向いた京介は私を見た後、
隣にいた天馬を視線を向けた。
「！…本当に知らないんだね…。」
「天馬…。」
「…優一さんの、後輩だ。」
「兄さんの？…サッカー部か。何の用だ。」
「どうして優一さんの誘いを断ったの？」
「…関係ねぇだろ、お前には。」
「!!…。」
「サッカーなんて、もう飽きたんだよ。」
言葉を失ってしまった天馬に、
京介はそう言って踵を返した。
そんな京介の腕を私は掴んで引き止めた。
「何のつもりだ。」
「…それは京介の本心なの？」
「…ああ。」
「!!…。」
握る手の力が抜ける。
けど、必死に力を籠めて離さなかった。
「嘘だ！そんなことあるわけない！
あんなに…あんなにサッカー好きだった京介が…！」
「しつこいんだよお前は！」
「…ッ！」
京介の怒気に満ちた声に、私は握る手の力を緩めた。
その隙に京介は私の手を振り払い、行ってしまった。
そんな京介の背中に、私は叫んだ。
「優一さんは…、ずっと京介のこと待ってるよ!!」
届いたかどうかはわからない。
けど…、
「A…、剣城は…。」
「…きっと大丈夫だよ。大好きなものに、嘘はつけないんでしょ？」
「！…そうだね。」
本当にまだ、京介がサッカーを好きなのなら。
きっと想いは届くハズだから。
・
夕方。
夕陽で赤く染まった河川敷のグラウンドに、
楽しそうにボールを蹴りあう、二人の兄弟の姿があった。
「ね？」
「本当だ。」
ちゃんと想いは、届いてた。
「優一さん、やりたいことができてよかったね。」
「うん。」
明日は優一さんのために戦うんだ。
決して無駄にしちゃいけないな。
「それじゃあ、戻ろうか。」
「うん。…A？」
「……あ、待って。」
少し先を歩く天馬とフェイの後を、急いで追った。
そして、後ろを振り向いた。
河川敷では、優一さんと京介の二人が笑顔でサッカーを続けていた。
「…兄弟…か。」
もしも願いが叶うなら。
私はまた……。
.
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 212人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏月 - この小説、面白すぎて一気に読んじゃいました！寝不足で頭痛がヤバいですけど…((((お守りをくれた人って…お兄さんですかね？伏線貼りとかが凄くてめっっっっっっちゃ面白いです！最後まで読みます！！サッカー最高だぜ！← (2019年8月6日 23時) (
レス) id: fa1636623a (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 音無春奈さん» コメありがとうございます！大好きだなんて光栄です！すごく嬉しいですし、励みになります！更新頑張りますね！ (2016年3月12日 10時) (レス) id: 15bd33d3b3 (このIDを非表示/違反報告)
音無春奈(プロフ) - 「ー月光の巫女ー」シリーズ大好きです（≧∇≦）最近読み始めたばかりですが、気付いたら夢中になっていました！これからも楽しみにしています(o^^o)あと…もちろん応援しています(*^^*)これからも頑張ってください！ (2016年3月12日 9時) (レス) id: 29bd618043 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 涼風れいさん» 話的にもーちょいかかりそうだけどねー。えー？そっちかーい(笑) (2015年3月2日 20時) (レス) id: 4395e408d4 (このIDを非表示/違反報告)
涼風れい(プロフ) - ついに来たー!!時空最強イレブン探し!!でも一番気になるのは…夜月ちゃんの着る服!!どんな服着るのかなぁ？楽しみにしてるよ♪続編頑張ってね♪ (2015年3月2日 18時) (レス) id: 532da60a2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼乃 | 作成日時：2015年1月10日 21時
