【 d！】幹部の席には空席が1つ

国民とお披露目会〜国民の話〜 ページ37

昨日、いつもの広場で新しい幹部のお披露目があると国じゅうに連絡が入った。

「新しい幹部か…空席の人かな？」

「俺、この前それっぽい人見たぞ！総統と城下町歩いてた！」

「えっ…総統とそういう関係なの？」

「いや、なんか友人って感じだったぞ。」

その日の夜は色々な居酒屋やスナック、それぞれの家で新しい幹部についての話がされていた。

次の日、昼に国民の約八割の人間が集まっていた。すると暫くしてトントン書記長と幹部達が出てきた。トントン書記長の司会で始まった。総統による新しい幹部の紹介によると先日の‪α‬国との戦いで1番働いていたようだ。

「ﾁｯ………それがなんだってんだ。」

どうやら新しい幹部を歓迎しない者も多少いるみたいだが。

総統の紹介が終わり出てきた新しい幹部はものすごく綺麗な人だった。遠目で見ていてよかったと思うほどに…
総統の隣に立って挨拶をするA様は総統と対称的な髪の色、暗い深海のような青い目、儚げな雰囲気と無邪気さを兼ね備えたその人は総統とは違う意味で目立っており、オーラを持った人間だった。その時、広場にいた人達はほとんど全員、目を奪われていただろう。

ワーと1つ間を置いてから国民達は完成を上げた。しかし、やはり女だったことや、あの雰囲気から先日の戦争で活躍したと思えないのだろう。何人かは不満の声を上げていた。それを聞き取ったのだろう幹部達は少し怒っているようなオーラを醸し出していたが言われた本人は微笑み、ある人を指名して膝をつかせろと言った。

その後降りてきたA様はその男の攻撃をひょいひょいと交わし、男が膝を着いたと同時に言い放った。

『もし、この結果に不満があるなら、いつでも要塞の門を叩いてくれていいですよ。』

少しの殺気を出しながら……

それを見た国民は敵に回してはいけないと思った。と、同時に頼りになる人間なんだと思い、その姿をカッコイイと思った。

あと、その姿を見た国民の中にはファンクラブを作った者もいるのだとか。

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