頼むから話を聞いてくれ!!【治崎廻】 (ページ10)

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十話ページ10

「……。」

クロノに応援(笑)されて廻の部屋まで来たわけだが、なんとも入りづらい。

そもそも、ドアが黒いしデカい。
地下の奥にあるからいいわけも出来ないし、ホントにどうしたものか……

かれこれ数十分、部屋の前で挙動不審。
あいつ分かってやっただろ……

クロノに対するイラつきがたまる一方だ。

諦めてため息をついたとき、

ガチャンッ
金属音が響いた。
背後に一人。銃口を突きつけられている。

こんな場所まで気付かれずにこれる人がいるわけがないのに。なぜ。
下手に相手を刺激しないようゆっくり手を上げれば、

「あ、」

聞き覚えのある声がした。

『……音本さんですか？』

「はい。……すみませんAさん。」

確認を取って振り向くと、疲れた顔の音本さんが立っていた。

これは絶対３日寝てない。
口を開くよりはやく、音本さんがドアをノックする。

しっかり３回ノックし、中から許可の声。
そしてドアを開けた。

そう、……開けた。