頼むから話を聞いてくれ!!【治崎廻】 (ページ3)

今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:8,967 hit

三話ページ3

基本的に、Aはお人好しである。
頼まれれば断らないし、困っている人間がいれば動かずにはいられない。

なんやかんやで組長に拾われ、八斎會にいるが一般人としてでもやっていけるはずの人材。

とはいっても、こっちの社会でやっていく人間なので身を守る術程度ならば完璧だった。

「……すまない。」

『いえいえ、大したことではないですし。大変ですね、天蓋さんも。』

敵は外部の人間だけではない。
夕飯に乱波を呼びに行って殴られかけたのも一度や二度ではないし、疲れている天蓋の手当てをするのだって手慣れたものだ。

「オバホ！死合をしよう！！」

その張本人は怪我一つなく元気に治崎を死合に誘っているのだから呆れざるを得ない。

「また、今度だ。」

『そうか！次こそ殺してやる！！』

内容と口調が比例しない。
まあ、いつも通りだが。

「……上の空のようだ。」

天蓋がポツリと呟けば、Aがそうですね。と、相づちをうってうつむく。

オーバーホール様は今回も話せないだろう。絶対。