見えるから見ないだけ Ⅲ【呪術廻戦】 (ページ47)

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『ここか……』

「そうそう、行き着けなんだよねー。生徒連れてきたのはAがはじめて」

連れてこられたのはこじんまりとした、それでいて高級感溢れるパティスリーだった
綺麗な外装と【悟の行き着け】という単語から察するに相当高いだろう、価格が

とはいえ彼女はその辺をほとんど気にしていない

自分の口座がかなり潤っていることくらいは気づいているし、占い師時代に貯めていたお金もかなり残っている

何度も言うようだが彼女はミニマリストなのだ

お金を使う機会がほとんどないせいで貯金は多い

「好きなだけ食べてね。頑張ってるご褒美」

２人とも車内で目隠しをサングラスにかえている、鞍久はフードもとっている

そんなわけで周りから見ると金持ちそうな美男美女がお花を飛ばしている空間なのだ

ちなみに伊地知は車で待機だったりする

『分かった、ありがとう』

こういう好意は断る方が良くない
恵まれた容姿と占い師という職業からこういう経験は豊富である

どうするのがいいか位は百も承知だ

中に入れば店員とおぼしき人が悟に近づき、流れるように奥の個室に案内された
行き着けなだけあって覚えられているらしい

個室に入ってしまえば周囲の嫌な視線はなくなる
鞍久がホッと胸をなでおろした