見えるから見ないだけ Ⅲ【呪術廻戦】 (ページ36)

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「ここ最近の失踪者、変死者。「窓」による報告をまとめました。これである程度犯人のアジトが絞られます」

「おっし！！乗り込むか！！」

「いえ」

改造人間の一件から数日が経過、七海が資料を見せながら悠仁たちに指令を出している

鞍久は今回、基本的に悠仁のサポートに来ている
等級だけをみれば鞍久のサポートに悠仁がいるという構図なのだが、鞍久は術式が未だ曖昧だ

言うなれば自分探しの最中

そんなわけで、鞍久がサポート役なのである

「手順は伊地知君に任せてあるので、２人で【吉野順平】の調査をお願いします」

悠仁がドアを開け、意気揚々と外にでていく
鞍久はその後ろを追いかけようとして、足を止めた

ちらりと七海を見て、ほんのり笑ってみせる

「鞍久さんも気づかれていたんですか？」

『うん？犯人の居場所が分かってるはずだっていう話かい？』

鞍久に他意はない
七海もやましいことがあるわけではない
だから、その場の空気は何も変わらなかった

ただ少し、伊地知の顔がこわばっただけ

「勿論、犯人はその気になれば残穢なんて残さずに現場を立ち去れるハズです。私達はまた誘い込まれています」

『この呪霊は悠仁にとってきっと天敵。分かるだろう？彼はまだ折り合いをつけるのに時間がほしいんだ』

鞍久の表情はどこか寂しそうだった