見えるから見ないだけ Ⅲ【呪術廻戦】 (ページ13)

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「困ったらここに連絡しろ。……もしくは高専に保護して貰え。オマエの才能は近い将来確実に狙われる、自分の身は自分で守れよ」

言うまでも無かったかもしれないが、と控えめにため息をつき甚爾が言う
それからトンッという軽い音
既にその場からいなくなっている

『随分信用されたみたいだ』

幼かった彼女は、小さく笑って見送った
ここから先何が起こるか、それはもうお察しの通りだろう

.

『随分久しぶりだね、甚爾さん』

「ハッ、たいして久しぶりでもないくせに何言ってんだ。時折見に来てたろ」

鞍久が笑いながら彼を見る
彼もまた鞍久を見て、それから軽く頭を下げた

「助言痛み入るが、聞いてやれないな」

『だろうね』

呆れたように肩をすくめる彼女は、いつしか彼の肩近くまで身長がのびた
娘孫でも見ている気分なのだろう
甚爾が鞍久に必要以上の拒否を向けることはない

だから信用している

『そうそう、見つけたんだ【最後のピース】になり得る術師。でも呪詛師らしくてね、どうしたら良いと思う？』

「知らねえよ。お得意の【予言】でも使って懐柔すればいいだろ」

２人が立っているのは河川敷
こんな場所でする話でもないのだろうが、この２人においてはその限りではない

何故生きているか？
それこそ、皆様【お察しの通り】だろう？