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せっかく傷を塞いだのに血が滲んでしまっている不完全さが生々しくて脳天を甘く痺れさせる。よくないことだと頭では分かっていても傷から目が逸らせない。
「凜君は、よく怪我するよね。」
「あ〜、確かにそうかも。なんでだろ。」
首を傾げて不思議そうにしている凜君の左手をそっと両手で包む。手の甲に浮かんでいる血管や角張った手指をやんわりと弄ぶ。小指につつ、と軽く指をなぞらせると、隠された傷口はじくじくと熱を持っている気がした。
すっかり私の体温が移ったぬるい手にゆるく指を絡める。
「怪我、しないでね。」
「はは、心配性だ。」
ぎゅう、と手を握り返されるとざらついた絆創膏の感触がした。
「心配くらい、するよ。」
楽しそうにえくぼをつくっている凜君の頬を左手でつまむと想像していたよりも硬い感触がした。
曲げていた指を広げて、する、と頬を撫でると、凜君は私の手の平に頬を押し付けてえくぼをより深く頬に刻んだ。ばちりと目が合うと、じんわりと熱を帯びた空気が周りを包む。
少し荒れた凜君の唇に口付けると、ぴり、と唇が切れたらしくぴくりと指を動かした。割れた口の端から流れた血を舐めとるとじんわりと甘い鉄の味が口に広がる。
「･･･もう一回、したい。」
「何回でも、いいよ。」
伺うような私の言葉に凜君は応えるように私の肩に手を置く。ごくりと生唾を飲み込むと、口の中に微かに残っていた血の味がべっとりと喉に張り付いた。
凜君がふんわりと上げた口角には目を奪うほどに鮮明な赤色がじっとりと溢れていた。
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迷える羊の皮を破って/ito→←ニケの唇、その柔らかさ/stmkw
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白昼夢(プロフ) - 嬉しすぎて混乱しているので乱文になってしまってすいません…🙇🏻♀️ 感想を送ってくださって本当にありがとうございます、とっても励みになります！これからも遅筆ながらにたくさんサさんの話を書いていくのでよろしくお願いします…！ (2023年1月4日 0時) (
レス) id: c583532045 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - Twitterのフォローもありがとうございます。Twitterでもたくさんお褒めいただけて褒め殺しとはこういう事なのかと身をもって体験しました…。設定や世界観が好き、と言われたことや♡爆をされたことが初めてで嬉しさと照れが混じってくすぐったい気持ちです🫠 (2023年1月4日 0時) (レス) id: c583532045 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - Cmaさん» 読んでくださって私の話を好きと言ってくださるだけでも嬉しいのに、とっても詳しく感想を送ってもらえて本当に嬉しいです…！私が自給自足の為に書いた話が自分以外のサさんに夢を見ている人に届いてこんなにも喜んでもらえたということがとてもとても嬉しいです…🥲 (2023年1月4日 0時) (レス) id: c583532045 (このIDを非表示/違反報告)
Cma - お気に入りマークを押した1人として読んでいましたが、最新話の文章に胸を打たれてしまい思わず感想を書きました。これからもずっと読ませていただきます。お体に気をつけて頑張ってください。応援しています。 (2023年1月3日 23時) (レス) id: c457c5465c (このIDを非表示/違反報告)
Cma - コメント失礼します。つい最近この小説を見つけstmkw3のお話にのめり込んだ者です。緻密で美しくて柔らかいとても素敵な物語をありがとうございます。少し前にstmkw3にハマった身に染み渡っております。白昼夢さんの書かれるstmkw3がとても好きです。↑ (2023年1月3日 23時) (レス) @page45 id: c457c5465c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白昼夢 | 作成日時：2022年4月20日 17時
