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「わたし、このまま殺されちゃいたい。」
ぽろぽろ、と、ふさがれていた唇が自由になった途端に言葉が溢れた。自分で口に出してすぐに、これは内に秘めておくべきだったと思った。いつも、そうだ。皆にあるようなブレーキが無くって、頭で考えたことがそのままするりと喉を通って音として出てしまう。
脳のどこかに穴が空いていて、そこから考えたことが全部どばどばととめどなく溢れていく感じ。そして口に出してから、言っちゃいけないことだったと理解する。こういうことが、多々ある。
「俺に？」
「うん、凜くんに。」
「Aってほんと、やばいねぇ。」
わたしの突飛な発言に凜くんはきょとんと聞き返す。こくりと頷いて肯定すると、きゅうきゅうと喉から笑い声を絞り出して楽しそうにした。わたしの考え、否定しないんだ。
凜くんはいつもいつもわたしがぽろぽろ零したものを一つ一つすくってくれる。すくって、優しくなぞって、大事にしてくれる。
例え、自分でさえも見落としてしまうような小さなものでも。それは誰にだって出来る事じゃないことも、こういうことをすんなりと出来る人に出会えることが少ないことも、わたしは知っている。
だから、やっぱりこのまま死んじゃえたら、どんなに幸せなんだろう。ぷかぷかと浮かぶ淡い幸せがぱちんと弾けてしまう前に、姿を保ったまま終わって欲しい。ずっと、ずっと幸せでいたい。幸せの真っ最中のままで、永遠にそのままであってほしい。
「なら、殺したげよっか。」
わたしの髪を手櫛でとかしながら、凜くんはわたしの願望をすんなりと受け入れてくれた。そう言うやいなやわたしの返答なんて聞かずに両手で頬を挟む、いや、挟むというよりはがっちりと頭を掴む。
あ、これは逃げられない、なぁ。自分の置かれた状況を変に冷静になって考えてしまう。それから、凜くんの大きな口が、がぱりと開く。
がぶ、がぶり。林檎をかじるように唇を食まれると、このまま、もしかしたらわたしは凜くんに食べられちゃうんじゃないかと怖くなってしまう。そんなこと、あるわけないと頭ではちゃんと分かっていてもどうしようもなく体は強ばる。食べられるわけない、食べられてもいい、どんなにそう思っていても、それでも怖くて仕方ない。
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白昼夢(プロフ) - 嬉しすぎて混乱しているので乱文になってしまってすいません…🙇🏻♀️ 感想を送ってくださって本当にありがとうございます、とっても励みになります！これからも遅筆ながらにたくさんサさんの話を書いていくのでよろしくお願いします…！ (2023年1月4日 0時) (
レス) id: c583532045 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - Twitterのフォローもありがとうございます。Twitterでもたくさんお褒めいただけて褒め殺しとはこういう事なのかと身をもって体験しました…。設定や世界観が好き、と言われたことや♡爆をされたことが初めてで嬉しさと照れが混じってくすぐったい気持ちです🫠 (2023年1月4日 0時) (レス) id: c583532045 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - Cmaさん» 読んでくださって私の話を好きと言ってくださるだけでも嬉しいのに、とっても詳しく感想を送ってもらえて本当に嬉しいです…！私が自給自足の為に書いた話が自分以外のサさんに夢を見ている人に届いてこんなにも喜んでもらえたということがとてもとても嬉しいです…🥲 (2023年1月4日 0時) (レス) id: c583532045 (このIDを非表示/違反報告)
Cma - お気に入りマークを押した1人として読んでいましたが、最新話の文章に胸を打たれてしまい思わず感想を書きました。これからもずっと読ませていただきます。お体に気をつけて頑張ってください。応援しています。 (2023年1月3日 23時) (レス) id: c457c5465c (このIDを非表示/違反報告)
Cma - コメント失礼します。つい最近この小説を見つけstmkw3のお話にのめり込んだ者です。緻密で美しくて柔らかいとても素敵な物語をありがとうございます。少し前にstmkw3にハマった身に染み渡っております。白昼夢さんの書かれるstmkw3がとても好きです。↑ (2023年1月3日 23時) (レス) @page45 id: c457c5465c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白昼夢 | 作成日時：2022年4月20日 17時
