柘榴の心臓、陶器の肋骨／ito ページ39
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補足：柘榴の心臓、陶器の肋骨は硝子の心臓、手折れの脊椎／itoの伊藤さん視点のお話です。
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部屋の明かりは付いているけれど部屋の中はしんと静謐に湛えている。出来るだけ静かに歩いてリビングに行くと僕を待ってくれている途中で寝落ちしたのかこてんと横になって静かに呼吸をしているAちゃんがいた。
今日家行っていい？というAちゃんからの連絡に喜んで快諾したけれど帰るのが遅くなってしまった。家に帰った時点でAちゃんはとろとろと半分眠っていたけれど僕がお風呂に出るのを待っている間にすっかり眠りに落ちてしまった。
秋とはいえもうすぐ冬の始まりになるこの季節にそのままは良くないと寝ているAちゃんに布団をかける。
視界の端に入った冷蔵庫にはAちゃん直筆のメモがぺたぺたと貼られていた。くっついているメモを剥がしてメモ用の箱に丁寧に入れる。毎回剥がして保管していたらいつの間にか箱の中には、アイスばっかり食べちゃだめだよ！という忠告からこの料理は600Wで3分温めてねというものまで様々なメモがぎっしりと詰まってしまった。
これをAちゃんに見せた時流石にそれは捨てときなよと呆れながら言われてしまったけれど、どんな些細なものでもAちゃんを感じられて愛おしい。
冷蔵庫を開くと僕が前に食べたいと言っていたものからAちゃんの得意料理まで、タッパーに詰められたAちゃんの手作りの料理がずらりと並んでいた。いつもいつも僕ばかりが貰ってばかりな気がする。愛、優しさ、言葉、物。
いつもAちゃんが頭の片隅にいて、聴く音楽も読む本も食べる食べ物も着る服もAちゃんと一緒に食べたりAちゃんが好きだと言ったものばっかりになってしまった。
Aちゃんのおはようで起きてAちゃんのおやすみで寝る。そんな今の生活は頭のてっぺんからつま先までAちゃんで満たされている。僕の生活はじわじわとAちゃんに侵食されて、もうAちゃんが複雑に組み込まれてしまった。
そんなAちゃんは僕にとっておひめさまだ、いや、神様だ。そのふっくらとした淡い色の唇から零れる福音はいつも僕を虜にさせる。
Aちゃんが黒と言ったらそれが汚れ1つないどんな純白でも黒で、世界はAちゃんを中心に回っている。それが僕にとっての揺るぎない常識。
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白昼夢(プロフ) - カエデさん» カエデさんお久しぶりです！私の話や言葉遣いがお好きと仰っていただけてとっても嬉しいです☺️カエデさんのリクエストに沿ったお話が書けて、カエデさんに読んでいただいて幸せになっていただけたようで私も幸せです〜🎉 (2023年4月4日 2時) (
レス) id: c583532045 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - リクエストさせていただいたカエデです。引き金に指を掛けて、今 拝見させていただきました…！主さんの作るストーリーや言葉遣いがとても好きな上に自分の好きなシチュエーションでお話を見る事ができてとても幸せです。ありがとうございます！！ (2023年4月3日 3時) (レス) id: 1e00067a9a (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - 里佳子さん» コメントありがとうございます🙇♀️お褒めの言葉を頂けてとても嬉しいです、こちらこそ里佳子さんの作品を毎回楽しく読ませていただいています😌遅筆ですがこれからも頑張ります☺️ (2022年4月6日 20時) (レス) id: c583532045 (このIDを非表示/違反報告)
里佳子(プロフ) - はじめまして。感想が浅くて申し訳無いのですが、もうめちゃくちゃ好きなお話ばかりです…。白昼夢様の語彙力が素晴らしくて、ドキドキしつつも感動しています！これからも応援させてください😌 (2022年4月6日 5時) (レス) id: 0670838cd9 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - のどかさん» 読んでいただけて嬉しいです！のどかさんにきゅんきゅんしていただけた小説を書けて良かったです☺️だいすきだなんてそんな、勿体無いお言葉をいただけて嬉しいです😌遅筆ですがこれからも頑張ります🙌 (2022年2月28日 21時) (レス) id: c583532045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白昼夢 | 作成日時：2022年1月16日 21時
