短編集→→→2【LIP×LIP】

あと10秒#勇次郎 ページ11

芸能人の恋愛って難しい。


人気があればあるほどに。


健全な男子高校生でもあるわけで。


恋とかしてみたかったりする。




勇「ん…？何これ…レンタル彼女…？」




小さなポスターに、そう書いてある。
レンタル彼女って…レンタル？借りるってこと？





あ『お兄さん、興味あるの？レンタル彼女』




勇「え？」





とても華奢で、綺麗な女の人に話しかけられた。
一応変装してるから、僕があのLIP×LIPの染谷勇次郎とは気づいてないみたいだけど。





あ『ん？私で試してみる？？どーせ、芸能人だからって理由で恋なんてまともに出来ないんでしょ。




LIP×LIPの染谷勇次郎くん？笑』




いや、気づいてたらしい。
彼女は何者なんだろう…





勇「まぁ、そうだけど。てかなんで分かったの？僕が染谷勇次郎だって」




あ『私ね、分かっちゃうんだ。人の考えてることが』




勇「は…？」





何言ってんだこいつ…





あ『今、何言ってんだって思ったでしょ。なんか分かるようになっちゃったんだよね。てことで、試してみようよ、レンタル彼女』




勇「え、いや、何言ってるか分からないんだけど」





あ『だから！！私と恋愛しない？って誘ってんのー』




勇「いや、いい。それじゃ」





それだけ言って反対方向に歩き出す。




これが彼女との出会い。






〜数年後〜






あ『勇次郎、お茶とって』





勇「自分でとって」





あ『何よ、ケチんぼ』







あの時の俺に言いたいことがある。


俺はあの後、結局、この女に見事に恋に落とされ、今では同居までしている。


そして、彼女は甘えただが、お酒は飲ませるな。








あ『勇次郎………好きだよ、ずっとね』





勇「────っ…不意打ち禁止ね、お仕置きするから……ちゅぅっ…」





あ『やっ……んぅっ…』





勇「はっ……我慢できない…してイイ？」





あ『ん〜…顔赤い…可愛い……あと10秒待って？笑』









不意打ち上手の小悪魔に変身するから。

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