断じて私は焼肉ではない｡【木兎光太郎】 (ページ5)

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第4話ハプニング？？ページ5

木兎の巨乳自慢を散々聞かされる中､
私は呆れて息をつきながら再び吊革に
手を伸ばそうとする｡

すると､突然胸筋自慢を話す口が止まり
木兎のゴツイ手が私の吊革に伸ばした手の
手首をガッチリと捕まえた｡

主:｢お､おっ……え､なんです｡｣

思いがけずなかなか力強く手首を掴まれたので
敬語になってキョドってしまった｡

ああ､もう｡さっきから調子狂う｡
もう一発鳩尾に食らわせてやろーか？

内心で私がそんなことを思っている間に､
木兎は捕まえた私の手をある場所に置いた｡

ポンッ

主:｢……………え､なに｡
今度は上腕二頭筋の自慢？｣

木:｢ん？なんで？？｣

木兎に捕まえられた私の手は､なんと
木兎の吊革を持つ腕の二の腕部分に置かれた｡

巨乳の次は上腕二頭筋の自慢かよ｡
と思ったのだが､どうやらそういうことでは
ないらしい｡

別に筋肉のことしか頭にないわけじゃない
からね？

つか､何コイツの上腕二頭筋｡
やべぇ｡

木:｢この吊革持つの､高くてキツイだろ？
だからさっきみたいによろけないように
おれの腕､吊革にしていいから｣

主:｢………………は｣

え｡なに､コイツ｡

あれ？

今のセリフ木兎？
あの単細胞バカが言ったんでしょうか？

んん？

木:｢おれの腕なら
久野が持つのにちょうどいいだろ？｣

木兎はいつもと寸分も変わらない無邪気な笑顔
で､そう言った｡

なぜだろうか｡
なんだか､ほんっっとに少しだけ｡
動悸がするような､しないような｡

“るいはとてつもなく混乱していた”