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北斗side
「あっ、誰かに見られたら大変ですよね」
急に立ち上がった彼女に驚きながらも、つられて俺も周りを確認した。
けどまあ、冬の夜にわざわざ出歩いている人はいないわけで。
北「誰もいなさそう、ですね」
「よかった...じゃあ私そろそろ行きますね」
北「あ、」
「あ、最後にこれだけ言わせてください」
名前だけでも、ときこうとしたのに、ふり返った彼女の顔を見てなぜか体が固まった。
「北斗くんは頑張ってるよ。
それは、ファンが増えていってることが証明してるはず。
これからも応援させて下さいね」
「じゃあ」と言って去って行った。
名前、きけなかったな。
なんて思いながらも、その場に残った彼の香りのせいで動けなかった。
北「頑張ってる、か」
不思議と、彼女の言葉は素直に受け入れられた。
この頃、人を、言葉を、素直に受け入れられずに本心か疑ってたのに。
それからもう1度彼女と会えたのは、しばらくして行われたライブで、だった。
北「で、ライブで彼女を見つけたけど、京本のうちわ持ってて。」
樹「他の男じゃなくて俺を見てほしいと思って、Aちゃんのことが好きって気づいた感じか」
北「…」
慎「あ、図星だ笑」
メンバーがにやにやしながら俺を見てくるこの空間が落ち着かない。
あー、何で話しちゃったんだろ。
タイミングがいいのか悪いのか、マネージャーが楽屋に入ってきてこの話は終わった。
優「あれ？何できょもは北斗のあのこと知ってたの？」
大「ライブで北斗がAちゃんをじっと見てるのを見て、詰め寄った」
優「詰め寄ったって笑」
いや、終わってなかったらしい。
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作者名：さくら | 作成日時：2024年2月9日 17時
