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「あ、これ。返すのが遅くなってしまってすみませんでした」
北「……全然気にしないで。ありがとう」
北斗くんに渡したのは、パーカーの入った紙袋。
「菓子折りは今度買ってマネージャーさんに渡しておきますので」
北「いらないって笑 その代わりに今日ご飯一緒に食べてもらってるわけだし」
「でも、パーカーのことと熱出したこと、2つありますし…」
北「じゃあさ、敬語やめてよ」
「え、それはちょっと…一応クライアントですし」
北「……ダメ？」
うっ………
SixTONESのファンだから、北斗くんのこの子犬みたいなうるうるな目を見てはいけないってわかってる。
分かってるけど……
私に向くなんて思いもしないじゃん!!
「……分かっ、た」
北「ありがとう!! あと松村さん呼びもやめてね」
「いや、お願い2つになってるじゃないですか！」
北「セットで1つなの！」
「……お仕事の時以外だけ、ですよ」
北「やった！笑 じゃあ俺はAちゃんって呼ぶね」
「お好きにどうぞ」
北「Aちゃん〜」
お酒が入って酔ってきたのか、いつもの倍にこにこ笑顔の北斗くん。
北「俺、あの時ほんとにAちゃんに救われたんだ」
「え？」
急に何の話…って思ったけど、すぐにあの公園で出会った日のことだって分かった。
北「自分の中では頑張ってるはずなのに、中々前に進めてる気がしなくてさ。そんな時に、Aちゃんが『北斗くんは頑張ってるよ』って言ってくれて……
今思えば、俺が欲しかった言葉だったんだと思う」
「……」
北「誰かに認めてもらいたかったんだよ。自分が頑張ってることをさ。
だから……ありがとう」
「ぇ、」
北「ずっと…ずっと伝えたかったんだ。やっと伝えられたわ笑」
その、笑った北斗くんの顔は、とても美しかった。
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作者名：さくら | 作成日時：2024年2月9日 17時
