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北「Aさん、借り物を人伝に返すんだ？」
「…分かりました。じゃあマネージャーさんと連絡取って、」
北「俺と連絡先交換しましょ」
「……え？」
え、今何て言った？
北「だあ、ばたばたして気づかないことあるし」
いやいや、あなたも忙しいですよね、北斗さん。
「あの忘れてるかもですけど、私ファンですよ？」
北「知ってるよ。京本担、でしょ」
「そうです。だから、」
北「俺のことも応援してくれてたんだね」
「えっ、何でそれ、」
北「SNSで、桃ちゃんが北斗のうちわもって写真撮ってたって言われてるの見た」
北斗くんにも、桃ちゃんが私のことってばれてんの……?!
「…応援してちゃだめですか」
北「ううん。むしろ嬉しい」
北斗くんは見たことない表情で笑ってた。
優しいっていうか、おだやかっていうか、愛しいものを見るような..…
いや、自意識上にもほどがある。
北「俺にもチャンスあるって思ってもいい？」
「何言ってるんですか？」
北「俺、初めてAさんに会ったときからずっと頭から離れないんだよ」
何も言えなくなった私のスマホをポケットから出すと、何か操作されて私の手に戻ってきた。
北「それ、俺だから」
「……っへ、?!」
北「また連絡するね」
画面に表示されている『Hokuto』の文字とアイコンの写真。
これ、現実？
ｺﾝｺﾝ
「あ、はい」
ス「園川さん、すみません。服の方、大丈夫ですか？」
「全然気にしないで下さい」
北斗くんと入れ違いで入ってきたのは、さっき間違えて水を出したらしいスタッフさんだった。
ス「ほんとにすいませんでした……
あ、今セットを直してて、時間がかかりそうなので、ジェシーさんの衣装はゆっくりで大丈夫です！」
「分かりました。わざわざ伝えに来ていただいてありがとうございます！」
さ、とりあえずお仕事に集中しますか……
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作者名：さくら | 作成日時：2024年2月9日 17時
