パーカーと連絡先 ページ16
北「えっ」
「……冷たい、」
ス「す、すみません！大丈夫ですか！？」
あわてて謝るスタッフさんと、びっくりしながらかけよってくる5人と、目を見開いて固まってる北斗くん。
ジェ「Aちゃん?!」
樹「ちょ、びしょ濡れじゃん」
慎「スタッフさん、タオルありますか？」
「あ、大丈夫ですよ」
大「大丈夫なわけないでしょ。風邪ひくって」
優「着替え..…とか持ってくるわけないよね」
「すぐ乾きますよ」
北「ちょっときて、」
さっきまで固まってた北斗くんが私の右手を引いてどこかに行こうとする。
「え、ちょ、ジェシーさんの衣装を先に、」
北「濡れた服着てたら風邪ひくって、まじで。スタジオ、クーラー結構きいてるんだから」
男の人の力にかなうはずなくて、ひきずられるようにしてスタジオを出た。
北「はい、これ着て」
渡されたのは、多分北斗くんが着てきたんだろうパーカー。
「いや、」
北「俺、Tシャツに上着もあるからパーカーなくて大丈夫だし、着て」
「でも」
北「何？着替えさせてほしいの？」
「なっ」
悪い笑みを浮かべながら、北斗くんはカーテンを閉めた。
……寒い、
申し訳ないけど寒すぎるし、ありがたく借りよ。
着替え出したくらいの時、北斗くんの声が聞こえてきた。
北「ごめんなさい。俺のせいで..…」
「いやいや、松村さんが濡れてかぜひいたら大変って思ったら体が勝手に動いてたんです笑」
北「え…衣装のためじゃなく？」
「あー…たしかに、衣装が濡れないようにするためでもありましたけど、そこまで頭になかったです」
北「そう、なんですか？」
「でも松村さんの腕をひいてたら、2人とも濡れずに済ましたよね。ばかですね、私」
北「そんなことないでしょうよ」
「まあ、私もご迷惑をおかけしてすみませんってことで。あ、パーカーは洗って返しますね。マネージャーさんに今度渡して、」
北「いや、直接がいい」
カーテンを開けると目の前に北斗くんが立ってた。
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作者名：さくら | 作成日時：2024年2月9日 17時
