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お披露目ライブが終わってから1週間。
私があのアンチのうちわにふれないから、皆も何も言ってこなかった。
もうクリスマスのライブに向けての準備が始まっていて、何も無かったみたいにわちゃわちゃしてる。
だから、アンチのことを考えずに済んでたんだけど…
ス「有野さん、お願いします」
「あ、はい！」
今日は1人でモデルのお仕事。
しんとしている楽屋にいると、ネガティブな考えしか浮かばないから、急いで楽屋を出た。
？「Aちゃんだよね」
「え、は、はい...」
宮「今日一緒に撮影する宮原颯汰(みやはらそうた)です。よろしくね」
「有野Aです。よろしくお願いします」
スタジオに入った瞬間に声をかけてきた1人の男性。
最近テレビでよく見る気がする。
そういえばこの前、村田さんが言ってたっけ。
今度の撮影はモデルさんと撮るよって…
宮「そんなに固くならないでよ。全然タメ口でいいんだよ?」
「いえ......まだ会ったばかりですし、」
宮「俺、そんなの気にしないからいいよ」
「あー.…....っと、私は敬語の方が落ち着くのでこのままで」
宮「…ｯﾁ」
「え…」
私を見る冷たい目は笑っているのに、笑っていなかった。
宮「そんな態度取れるのは今だけだからね？」
そう、私の耳元で言って、スタッフさんの方に行った。
ス「有野さん！撮影始めるのでこちらにお願いします」
「は、い」
宮原さんがにっこりとほほえんだ。
ス「今回は『デート』をテーマに撮りますので、カップルっぽくお願いしますね〜」
宮「はーい」
「....はい」
デートがテーマなんて言ってたっけ？
春物の新作を撮るって話だったはず…
まあ、スタッフさんに言われたからその通りにするんだけど、なんか腑に落ちない。
すると、撮影が始まった。
瞬間、腰に手を回されてゾッとする。
なんとか表情を保ちながら撮影が進んでいくけど、手を繋いできたり、顔に手を添えてきたり、後ろから抱きしめてきたり…
なぜか気持ちが悪くてしょうがなかった。
こんなにお仕事が嫌だと思ったのは初めてだった。
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作者名：さくら | 作成日時：2023年3月11日 7時
