あかいろくれよん

山田くんと侑李 cn×ym ページ9

Y.C








みんな一度は聞いたことあると思うんだけど。


僕は涼介のこと涼介って呼んでるの。


なんで涼介は知念って呼ぶの？


侑李って呼んでくれてもよくないか。


別にいいよ、いいんだけどさ。


僕も山田って呼んでみようかな。


出会ったばかりのときみたいに、山田くんって。


あのときの涼介、可愛かったなぁ…。


まんまるで、目が大きくて、髪が長くて…。


思い返してみたら一目惚れだったのかな、なんて。


現在午前8時。


どうせまだ寝てるだろうから、電話かけてやろう。


山田くんって呼ぶためだけにね。


そうと決まれば僕は早い。


サイフの名前を選んで、通話を押す。






呼び出し音が続く。



知｢…。｣



…そりゃ疲れてるよね。


急に申し訳ない。電話…切ろうかな。



山『はぁい、』

知｢！！…おはよう、寝てた？｣

山『うん、寝てた…』



本当に今起きたっぽい。


寝ぼけてるのかな。



知｢知念だよ。｣

山『どうしたの、侑李…』

知｢…え？｣

山『うん…？侑李なんでしょ、』

知｢そう、そうだよ。｣

山『どうしたの、』



ねえこれってもしかしてさ、



知｢…僕のいないとこで僕のこと侑李って呼んでるの？｣

山『うん、名前、侑李だもんねぇ…』



おばあちゃんみたいな喋り方…。




知｢…そっか、わかった。｣

山『うん、うん。』

知｢じゃあね。ありがとう。｣

山『ん、はーい』

知｢おやすみ。｣

山『じゃあねー』



電話が切れた。


うそ。


うそでしょ。


侑李って呼んでたんだ。


知らなかった…。


寝ぼけててよかった。


これしばらく涼介いじるネタにできるよね。


どこまで溺れさせるんだろう。


ずるいな、涼介。


山田くんって言いそびれたじゃん。


ばか、好きだよ。





FIN.

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