あかいろくれよん

君が好きだから cn×ym ページ6

Y.C






知｢あのさ、涼介ってなんでそんなに素直じゃないの？｣



別にいつもなら我慢できることなのに。



少しトラブルがあってイライラしてただけ。



何度好きだと伝えても、恥ずかしがって涼介からは言ってもらえない。



ひとこと好きって言ってもらえたら落ち着けると思ったのに。



結果的にまた言ってもらえなくて冒頭に至るわけ。



ピリピリした空気の僕らの楽屋。



山｢…えっと…｣

知｢ほんと可愛くない。｣

山｢ごめ、…｣

知｢もっと素直な可愛い子にしとけばよかった。｣

山｢っ…ごめん、｣



涼介が謝ってるのを背に楽屋を飛び出す。



僕に続いて誰かが出てきたみたい。



八｢知念！｣

知｢ひか…。｣

八｢言い過ぎだぞお前…。｣

知｢わかってる、わかってるけど…変にイライラしちゃって…。｣



そっかそっか、って優しく背中をさすってくれるひか。



八｢大丈夫大丈夫、早いうち謝り行こう。｣

知｢待って、まだ準備がだめ…｣



ドアの前まで引っ張られたけど、ここから進む勇気はない。



ドアの前に座り込む。



山『圭人…、どうしたら…っ素直になれんの、っ…』




八｢中の会話聞こえるね、｣

知｢…うん、｣




岡『知念もきっと本心じゃないよ…??』

山『でもっ、可愛くないって、っ…素直で可愛い子がいいって、っ…』



ドアの隙間から覗くと、涙で顔を濡らした涼介と、その周りで宥めるみんな。



知｢僕ひどいこと言った…｣



山『ちね、に、っ嫌われたら、…っ』



そんなの聞いたら動かないわけにはいかなくて、楽屋に入って涼介を抱き締める。



知｢涼介…！｣

山｢ちね、っ…ごめん、ごめんなさい…っ｣

知｢僕こそごめん、言いすぎた。｣

山｢嫌いにならないで、俺、っ…｣

知｢ならないから、素直じゃなくても涼介が好きだよ。｣



腕に力を入れてそう伝えると、大きな声で泣き出した涼介。



嫌いになんか、なれるわけないのに。



山｢好き、知念好きっ…｣

知｢僕もだよ、大好き。｣



可愛い、ほんとに可愛い。



素直すぎても僕が我慢できなくなっちゃうし、ちょうどいいのかもね。





Fin.

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