あかいろくれよん

しょっぱい光くん hk×ym ページ5

H.Y






山｢光くん！｣

八｢…なんだよ｣




ほらまただ。




俺はいつも彼女のやまだに冷たい対応をしてしまう。




山｢…ごめん、あとででいいや！｣

八｢え、いや、ちょっと…｣




あぁ、ちがうんだよやまだ…。




怒ってるわけじゃないんだよ…。




ことの始まりは三週間ほど前。




デビュー前からの長年の片想いにケリをつけようと俺がやまだに告白したあたりから。




あのときはやまだからOKが出てすごい嬉しくて、ハグしたりキスしたりしたんだけど…。




日に日にやまだがもっと可愛く思えてきて、デレるのを抑えるために冷たくしちゃってるってわけ。




やまだは気をつかって明るくしているはずなんだけど、ふいに見せる悲しそうな寂しそうな表情の元凶は俺。




怒ってるわけじゃないし、嫌いなわけなんかじゃない。




知念にも怒られたばかりだ。




｢僕のサイフに悲しい顔させないでよね。｣って。




ここは俺が動くしかないんだろうな。




八｢やまだ。｣

山｢えっ、なに？｣




さっきの俺を見たからなのか、少し驚いてる。




できるだけ優しい言葉を選んで話す。




八｢ちょっとこっちおいで。｣

山｢うん…？｣




手を引いて楽屋の扉を閉めるとき、薮が茶化してたのはもちろん無視。




八｢ここ入ろっか。｣

山｢誰も使ってないよね？｣

八｢多分。｣




空いていた楽屋に入って扉を閉める。




山｢…光くんどうしたの？｣

八｢ごめん。｣




そう言って抱き締める。




山｢えっと…｣

八｢好きだよ。｣

山｢…！！｣




するとやまだがぎゅうっと抱き着いてきて、




山｢俺は大好きだから！｣




こういうのが可愛すぎるからだめなんだってば。




八｢冷たくしてごめんな？｣

山｢いいの、光くんも忙しいもん。｣




勘違いしてるしさ。




八｢違うんだよ、忙しいからとかじゃないんだ。｣

山｢え、｣

八｢やまだが…その、可愛すぎて…恥ずかしくて、｣




急に黙り込んだから不安になって覗くと、顔を真っ赤にさせて涙目になったやまだが。




山｢ずるいよ、光くん、｣

八｢え、ごめん｣

山｢俺ばっかり好きになっちゃうじゃん…｣

八｢あぁもう…俺のほうが好きだから安心しろよ！｣

山｢ばっ、光くんずるい！｣




こんなに可愛いやまだ他のやつには見せたくないな。



なんて思ってたのはまた別の話でね。



Fin.

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