あかいろくれよん

Valentine kn×ym ページ40

(｢あかいろくれよん｣より 貴方が好きです。
の続きとしても読めます)


K.N






菊｢おい中島〜。山田くんが呼んでんぞ〜。｣


中｢え？山田くん？｣





控えめにノックされた扉に対応したのは相方だった。


いつもなら俺が出るのに。


山田くんのときに限ってなぜだ。





仕方ない、扉の向こうから手を振っている山田くんが可愛いから悔やむのはやめよう。





とりあえず扉の外に出て、二人並んでJUMPさんの楽屋に向かう。





中｢どうかしました？｣


山｢あーうん、健人にあげようと思ってさ。｣


中｢…もしかしてバレンタインですか？｣


山｢さすが。正解。｣





ちょっと待ってくれよ。

こんなに嬉しいことってある？





中｢本当に俺に、ですか？｣


山｢健人以外、誰にあげるっていうの。｣


中｢いやあの、メンバーさんとか…｣


山｢あのね、俺本命しかあげないから。｣


中｢へぇ…そうなんですね。なかなかピュアなバレンタインですね。｣





……本命？





中｢本命って…｣


山｢うん？｣


中｢あ、いや…俺も、本命の人からしか受け取りません。｣


山｢じゃあ、受け取ってくれるんだ？｣





気付いてしまった。


山田くん、僕はあなたのことが好きみたいだ。





中｢もちろん。受け取らせてください。｣


山｢うん…えっと、ハッピーバレンタイン！｣





ずーっと後ろ手に持っていた紙袋を渡してくれた。


一瞬触れた手が冷たくて、緊張してたのかな、なんて思ったりして。





中｢これって…｣


山｢うん、張り切って作ってみたの。ロールケーキ、大丈夫だった？｣


中｢大丈夫です、すげー嬉しい…ちゃんと味わって食べますね！｣


山｢ん。ありがと。｣





頬を赤らめる姿が可愛らしくて、思わずその頬に触れてしまった。


見つめられて、吸い寄せられるように顔が近付いて…





山｢ふふ、まだダメ。｣


中｢えっ｣





俺の唇に触れたのは、山田くんの人差し指。





山｢返事はホワイトデーでお願いしますね！｣





そう言って小悪魔的な笑みを浮かべて楽屋に入っていった山田くん。








俺はそんな貴方でさえ、愛しいと思えます。


ホワイトデー待っててください。


貴方に似合う男になります。





そう心に決めて、ルンルン気分で自分の楽屋に戻った。









Fin.









ハッピーバレンタイン！

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みなさんに楽しんでいただけたのなら翠雨は嬉しいです！

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