あかいろくれよん

Valentine cn×ym ページ32

R.Y






バレンタインデー。


大切な人にチョコをあげる日だそうです。


俺も昨日の夜ルンルンで用意したココアマドレーヌ。


知念、どんな顔するかなーってワクワクしながら楽屋で待機中。





ガチャっと扉が開いて、ご登場！ちいちゃん！！





山｢知念〜！おはよう！｣


知｢おー涼介、おはよう。｣





あら、片手に紙袋…？


まさかもう受け取りました？





山｢知念それ、紙袋…｣


知｢ん？あぁ、これね。ふふ。｣


山｢…なに笑ってんのさ。｣


知｢いいでしょ。さっきもらったんだ。｣





まさかのまさかでしたー！

この野郎！野郎か！？野郎だ！





もう〜〜。

マドレーヌあげないぞ〜〜。

食べちゃうぞ〜〜。





知｢涼介？なに膨れてんの。｣


山｢ちいちゃんはモテモテでいいですね〜。俺なんてチョコ全部断ってきたのにさ〜。｣


知｢なに言ってんだか。で、涼介からは？｣


山｢あげません。｣


知｢…は！？｣





でっかい声出すなよな。


耳がキーンってするんですけど！


こっちのほうが｢は！？｣ですけど！





知｢…ねえもしかしてさ、ほんとに僕が受け取ってきたと思ってんの？｣


山｢知念がそう言ったんだろ。｣


知｢バカだね涼介。｣





そう言って紙袋の中を見せてくる知念。


なに。


チョコのご自慢ですかー。





山｢…ん？｣


知｢なにか？｣


山｢あの、スマホとイヤホンと財布が入ってるんですけど。｣


知｢だからどうしたの？｣





だからどうしたのって…何がどうしたんだよ。


使い方ただのトートバッグじゃねえか。





山｢チョ、チョコは？｣


知｢もらってないよ。｣





なんてことなんだ知念…。


恐ろしいわ、ここまできたら。


参りました。





知｢で、涼介からは？｣


山｢あ、はい。はい。｣





見ろよ俺の力作！





知｢わっ、なにこれ！｣


山｢マドレーヌだよ。｣


知｢美味しそう！僕だけ？僕だけ？｣





わーいって子供みたい。


目キラキラさせちゃってさ。


可愛いなあ、ほんと。





山｢うん、知念だけ。｣


知｢ほんとに？嬉しい、よかった〜みんなの断ってきて！｣


山｢早くしまってよ、みんなの分はないんだから。｣


知｢うん、ありがとう、大事に食べる。｣





さっきの紙袋にそっとマドレーヌを入れてる知念。


こういうとこなんだよな。


来年もつくってあげたくなっちゃうよね。









また来年も一緒にいられますように。



Fin.


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