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K.N
帰り道。
山田くんは俺と隣の席になったことがよっぽど嬉しいらしく、繰り返し何度もその話をしていた。
山｢先生意外とチョロかったね！｣
中｢せっかく隣にしてくれたのに、そういうこと言わないの。｣
山｢俺先生のこと好きになったわ。｣
中｢でも先生より俺のほうが好きでしょ？｣
山｢ふふ、どうかな。｣
そんなことありませんよ、みたいな余裕な顔してぴょんぴょんと飛んで横断歩道を渡る山田くんは気付いてないかもしれないけど。
中｢山田くん、耳赤いよ。｣
山｢えっ｣
中｢ちょっと、そんなど真ん中で止まっちゃダメだよ。｣
固まったように動かなくなって赤い顔で口をぱくぱくさせる山田くんの手を引いて、横断歩道を渡り切る。
中｢……で、先生より俺のほうが好きっしょ？｣
山｢う、うん……好き。｣
中｢よく出来ました。｣
頭をぽんぽんと撫でて先を歩くと、しばらく山田くんの足音は聞こえてこなかった。
ようやくあの橋が見えてきた頃、後ろから突進されたけど。
よくいえばバックハグ。
山｢…先生よりっていうか、俺今健人が一番好き！ファンだわ！｣
中｢ファンって…。でも俺もだよ。｣
山｢し、知ってる。｣
中｢あはは、可愛いね。｣
バックハグな彼を振りほどくことなく歩き出したけど、やっぱり歩き難いな。
山田くんもちょこちょこ歩いてるし、隣に来ればいいのに。
｢あ、おい中島ー！｣
中｢あ？お、菊池じゃん、何してんの？｣
菊｢お前らのほうが何してんの？｣
中｢帰ってんの。｣
｢ほお。｣とか言って山田くんを覗き込む菊池。
デジャブだわ、やめろやめろ。
菊｢山田！｣
山｢…はーい？｣
菊｢ほれ、来いよ！｣
山｢ん。｣
クイっと親指で背中をさして来いよと言った菊池に駆け寄って、そこに飛び乗った山田くん。
え、俺でさえ背中になんて乗せたことないのに、今初めて会話をしたようなやつに乗っちゃうわけ、山田くん。
あぁ……おんぶされてるの可愛い。
山｢夕日に向かって……競走だ！｣
中｢は？｣
菊｢お前は背中にいるんだから二着に決まってんだろ？｣
山｢いいの、お前が一着なら俺も一着なんだよ。｣
菊｢名前なんつった？｣
山｢山田だよ、涼介！｣
菊｢涼介な。俺風磨っていうから覚えろよ。｣
山｢よし、走れ風磨！｣
中｢あ、おい！｣
走り出した菊池とそこに乗っかった山田くんに置いて行かれる俺。
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はる(プロフ) - 1番大好きな作品です！作者さんのことも気になってしまうぐらい好みの作風で、こんなに素敵な作品に出会えてとても幸せです！いつかまた幸せなknymちゃんが見れる日を楽しみにしています！ (2020年7月28日 23時) (
レス) id: 2fd3fc28ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠雨
| 作成日時：2018年5月30日 1時
