黒色くんと八色の話。２【ﾚﾝﾒｸﾞﾛ】 (ページ9)

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◆Hikaru.I ページ9

車を法定速度ギリギリでぶっ飛ばして、約15分後。

俺は目黒の住むマンションの前まで来ていた。

車をパーキングに停め、部屋番号を押す。

出ない。

いや、家に居ないはずがない。

何度も何度もインターホンを鳴らす。

途中、マンションの住民に怪しげに見られるが
そんなの気にしていられない。

あんなに仕事熱心の目黒が休みたいなんて言う程だ。

インターホンを鳴らし続けて十数回目。

エントランスの扉が開いた。

『玄関の鍵開けとけよ！』

きっと聞いているだろう目黒に伝え、エレベーターへ向かった。

玄関の前に立った俺は、ゆっくり深呼吸。

ガチャと無機質な音が響く。

部屋の中は電気ひとつ付いておらず薄暗い。

『目黒？入るぞ。』

リビングに続く扉が少し開いている。

ソファに項垂れて座る目黒。

近付く俺を捉える瞳には光がなかった。

目「岩本くん…俺、どうしたら良かったんすか。」

『そうだな…どうなんだろうな。』

なるべく寄り添うように言葉を選びながら声をかける。