文豪達で「もしも」の話 −第二幕−

★もしも貴女が文豪達を慰めたら ページ12

『大丈夫。信じるよ君だから。
まっすぐ前を向いて？本当に駄目な時は、君の心を支えてあげるから。

ねぇ、一緒に進もう？
貴女はもう一人ぼっちじゃ、ないんだよ』


落ち込んで諦めていた文豪達に貴女は言葉をかけ、手を握り、差し伸べました。



中島敦 の場合

「ぅぅ……あり、がどう゛。僕は、一人じゃ、ない………うぁ、っ」


貴女の手を強く握り、座りながら泣いています。一人じゃない、そう言われることが何よりも心を支えるのでしょう。





太宰治 の場合

「そう、だね………何事も諦めない、だよね。私は確かに一人ではない、かもしれない。
でもそれは君だって同じさ。
君だって、一人じゃない」


慰めるつもりが逆に慰められそうです。
貴女が泣きそうになると背中をさすってくれます。





国木田独歩 の場合

「前を、向いて………っ、俺の理想には俺しかたどり着けない。お前に言われずとも、分かっている………っ、わかって、いる、っ」


強気ですがいずれ崩れて、すすり泣くでしょう。貴女が手を握り続ける限り彼は、涙をこぼしながらしがみついているでしょう。





江戸川乱歩 の場合

「手、あったかいなぁ。父様みたい。
ここに来た時はみんなが怖く見えたけど、社長に会って、探偵社を立ち上げて、社員を集めて君に出会った。

なんか、奇跡みたい、だねっ」


親のことを考え、今までのことを思い返しながら、貴女の方をちらりとみて、貴女の手を強く握るでしょう。
彼の中の親がいないことへの不安や苦しみが、生への諦めに繋がったようです。

しかし、もう問題ないようですね。






芥川龍之介 の場合

「去れ。僕は、手を差し伸べられるほど落ちぶれてなぞいない。誰の助けも借りぬ。
助けを借りねば生きられぬほど弱いなら、僕はこの首を搔き切る」


なんかすごい方向に向かいそうですが、
何も言わずに貴女が手を握ると、泣きそうになって俯くでしょう。先ほどの強気はどこにやら、な感じで。





中原中也 の場合

「俺……もぅ、一人じゃなぃ…？
離れていかないよな。俺のそばにいてくれるよな。なぁ、お前は俺を【バケモノ】なんて言わねぇよな……？」


何か過去の幻覚を見ていたようです。
生きることを諦めそうな時、彼はきっと貴女がそばにいてくれることだけを望むのでしょう。






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