佰弐拾壱 体目(121体目) ページ7
グゥ〜〜
その時やつがれの腹が音を立てた。
「空腹だと死んじゃうよ?何か食べないと」
そう言いやつがれにも林檎を渡してくる。
その人の目は先ほどのような優しい目ではなく林檎のように赤い紅い目だった。
「・・・・・」
やつがれはその目の前の久しぶりの豪華な食事に負けた。
「君、名前は?」
「………芥川」
「芥川君か………」
やつがれは林檎を半分ほどまで食べ終わり、
奴を見た。
「?あぁ、僕はS
此処よりも少し遠いところからきた異邦人さ」
Sと名乗った人はやつがれの顔を覗き込んだ。そしてやつがれの黒い淀んだ目を見た。
「君はどうして生きているんだい?」
生きている理由、存在理由を問われた。
やつがれは答えようとした。
然し、
「……………」
答えられなかった。
「まぁ存在理由なんて後々見つければいいし、今すぐ急いで決める必要はないよ」
さて、というとSさんは立ち上がった。
「それじゃあ僕は仕事があるから」
やつがれはその後ろ姿と最後までやつがれを見ていた赤い目が脳裏に焼きついて離れなかった。
ーーー
ーー
ー
それから間もなく。
やつがれ達は信じられない光景を見た。
「じゃあ此処で待ち伏せて……」
先ほどやつがれらに林檎を与えたSさんが、
ポートマフィアと盟約を結んでいる組織の中にいる。然も周りの奴らに指示を出しているところを見ると偉い人なのだ、とまだ幼いやつがれらにも分かった。
「それじゃあ一週間後、黒橋前で受け渡しね」
黒橋は此処からそう遠くない、黒いというより赤黒い血が橋についたという理由で誰も近づかない受け渡し場所にはうってつけな場所だ。
やつがれらは聞かなかったことにし、その場を立ち去った。
今思えば不可思議な事が多かった。
やつがれとあの話場所は数十メートルはあった。然しその話は聞こえていた。
やつがれらの聴覚が良かったわけではない。
あそこで育って十分な栄養も取れていないのだから聴覚は人よりも劣っていた。
それなら聞こえた理由は一つ
【わざと聞こえるように話した】
という以外にない。
それをあの時のやつがれらは気づかない。
勿論、その後
「聞こえてたかな?それじゃあ此処にいる人たちは邪魔だから殺っちゃっていいよ♪」
嬉しそうなSの声なんて聞こえるはずもない。
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8
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今日のラッキー文ストキャラ、ポートマフィア編 by中也
此処の夢主、夜闇ちゃん
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薆(プロフ) - 瑞稀@刀剣乱舞(・∀・)さん» 一気読みですか。大変でしたね。お疲れ様です。更新、頑張ります!書いて欲しい番外編を募集しているのでよかったら意見をどうぞ! (2016年7月10日 8時) (レス) id: 9c24d02fa9 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀@刀剣乱舞(・∀・)(プロフ) - すごく面白かったです!!ついつい一気読みしてしまいました笑続き楽しみにしてます!! (2016年7月10日 2時) (レス) id: 2432d9d170 (このIDを非表示/違反報告)
薆(プロフ) - トマトマンさん» 返信遅れてスンマソンm(._.)m指摘、ありがとねー (2016年4月9日 11時) (レス) id: 9c24d02fa9 (このIDを非表示/違反報告)
トマトマン(プロフ) - 芥川先輩マジイケメン(*´ ^ `*)樋口ちゃんの為に泣く所とかマジキュンキュンですわ(真顔)124体目のSが樋口ちゃんを放すところが[話す]になってるよー (2016年4月4日 20時) (レス) id: 7c2eb96b69 (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^)(プロフ) - 薆さん» 神作を見るのは私の役目ですからね〜♪はい!!頑張ってください!!!応援してます!!!! (2016年3月29日 23時) (レス) id: 56a41b9502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤンデレピエロ | 作成日時:2016年3月21日 7時