卑しき狗は笑わない 肆

佰参拾玖 体目（139体目） ページ37

翌日ー



俺は一人で目覚め、
一人で普通に美味しい飯食って、
一人で仕事に向かった。




彼奴には会わなかった。




姿も見なかった。





「やっぱ、無理だわ」




俺はやっぱり、待ってるとか、諦めるなんて、癪だ。





昨日立てた小さな思いなんて、
【どうでもいい】なんて言葉すら、





俺の嘘だって、受け入れよう。





俺は仕事終わり、銃に小刀に自分の四肢を連れ動かし、青鯖が言ってた場所に向かった。





彼奴は、そんな事もわかってる。
盗聴器なんて仕込みやがって。






プルルルルッ





首領から一本の電話





「中原です」



《……行く前に、寄って行きなさい》





静かな一声を残し、首領は電話を切った。




急がなければいけないのだが、
首領の命を断るわけには行かない。





俺は一通りの道具を揃え、扉を一人






開けた__________。




ーーー
ーー
ー




「やぁ、随分とやる気みたいだね。中原君」




「それより首領、なんの御用でしょうか」





首領は静かに目を閉じた。





目を開くと俺に向けられた気持ちが膨れ上がり、一種の風になり俺にぶつけられた。





当たった瞬間、いやその前から、
体は動かない、真冬の極寒にいるような寒気、逃れる事を許さない眼差し





殺気だ。俺に当てられたのは、
首領からの殺気だった。






頭が痛くなる、眩暈がする、呼吸が止まる
でも、








「‼︎」





此処で引いたら、駄目だ
何故か直感的に感じる。








「っ、は……」






「…………合格だよ、中原君」







普通の空気に戻った途端、力が抜けた。





あの殺気に当てられるのは、何よりもの恐怖の対象となった。






「何かあったら、私の殺気を思い出しなさい。
これより怖いものなんてそうそうない。
自分で言うのもなんだけどね」







「五大幹部、中原中也。
君の全勢力をもって、夜闇Aの救出に向かい給え。邪魔する者は徹底的に潰し、任務を必ず遂行しなさい」







此処で言えばもう、戻れない。








俺を止めるものは何もない









.






.





.





「首領の命、必ずや成功して参ります」








跪き頭を下げる。






「良い報告を、期待している」






静かに怪しく笑った首領と
盗聴器で聞いている彼奴に向けて俺は







誓いを遂行する決意をした。

佰肆拾 体目（140 体目）→←佰参拾捌 体目（138体目）

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

今日のラッキー文ストキャラ、ポートマフィア編 by中也

此処の夢主、夜闇ちゃん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す