卑しき狗は笑わない 参

佰 体目（100体目） ページ25

〜太宰 視点〜


中也、薬の事知らなかったんだ。
私の方がAちゃんのことを知っているってことだね。


「なんか嬉しいな」


まぁこんな気持ちの名前なんて知ってるんだけど、それは後回し。


「………誰だい」


医務室に入ると女医さんがいた。
前に、Aちゃんの薬を代わりで受けっとってたから顔見知りだけどね。


「久しぶりです。と言っても覚えてますかね」


「覚えてないねぇ。まぁ、要件はなんとなくわかっているさ」


そう言うと女医さんは、後ろのごちゃごちゃとした机から2、3枚ほどの紙を引っ張り出した。



「Aの薬についてだろう？」



「………わかっていましたか。
けどその前に」


私は女医さんの手に預かっていたもの
まぁ、ただの紙なんだけどね。
紙を渡した。




「………！！！」



女医さんはその紙の内容を見ると、
目を開き、驚いた表情をした。



「あんたの仕事は終わりかい？」



「はい。終わりましたよ。
ここからは私個人の質問なんですけど」



聞きたいことはたくさんあるけど、
あまり時間もなさそうだし。



「何故、Aちゃんの薬に毒薬が入っていたのか」



「そんなことかい。それなら後日、
あんたらのお偉いさんから聞いた方がいいよ」



ということはあの紙にはそれ関係、
またはそれについてを聞くための何かかな？



「そうですか。なら帰りますね」



「早く帰りな」


医務室を出ると、金髪の眼鏡さんがいた。




「くそ！マフィアか！」




「あってるけど、私はもう先に行くね」



だって、なんか面倒くさそうなんだもん。


さて、Aちゃんの方はどうなったかな。


〜その頃の貴方〜


『よし』


全員の情報を見ておいてよかった。
全員と言っても、福沢と乱歩、それと先生は抜きにしているから、3人ほどだったけどな。

後ろにいた、谷崎潤一郎、だったか。
それは幻術系統の異能

標識の少年、宮沢賢治。
怪力の異能、近くに肉まんを置いておいたから多分大丈夫だろう。腹の空腹は。


そしてあの金髪眼鏡、国木田独歩。
強い、福沢の弟子だからか。


取り敢えず、全員の記憶から私たちの記憶だけを消去した。
あとあと覚えているとめんどくさいからな。


「！…Aちゃん」

「A」


『太宰、中原、終わったぞ』


「そう、なら帰ろう！」


『そうだな』



，


，
「そういえば、今回で100話じゃね？」


「『えっ？』」





作者「………記念のやつ、作ります！」

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